【司法書士】
司法書士試験と過去問(2)
過去問の実際の取り組み方・初学者編


司法書士齋藤・荒井共同事務所
所長 司法書士 齋藤隆行

 全国的に猛暑日が続いています。暑い日は,エアコンの効いた場所で,学習しましょう。また,あまり無理をせず,水分補給を意識しながら,休み休み学習しましょう。疲労を感じたときは,少し仮眠をとるなど工夫して,この気候をやりすごしてください。
 今回は,前回に続き,司法書士試験と過去問について,実際の過去問の取り組み方(初学者編)をご紹介してまいります。

1 まず,科目別過去問集を手に入れよう!
 過去問に関する書籍としては,科目別の過去問が掲載された科目別過去問集や過去問が年度毎に掲載されている年度別過去問集,過去問の中から重要なものをセレクトした過去問集などが出版されています。
 初めて過去問に取り組むときには,科目別過去問集を手に入れましょう。
 分量的には,過去10年分あれば十分ですので,最低,過去10年分が掲載されているものを選ぶとよいでしょう。
 一度に全科目揃える必要はありません。まずは,ご自分が学習している科目のものを手に入れ,学習の進捗状況によって,徐々に揃えていけば十分です。

2 実際の過去問の取り組み方
(1) 五肢択一式問題について
 ご自分の学習の進捗状況に応じて,学習が済んだテーマから,実際に過去問を解いてみましょう。もちろん,最初は,正解できなくてもいっこうに構いません。まずは,自分の学習が済んだテーマからどのようなところが,どのような形式で出題されているかを知ることができれば十分です。
 そして,少し時間を置いてから,もう一度問題を解き直し,正誤を確認し,解説を読んでみてください。同じ問題を何度も解くのは,一見,非効率的なように思えますが,過去問については,何度問題を解いても時間の無駄になることはありません。むしろ,何度も問題を解くことで,過去問の理解度が深まり,その過去問を見ただけで答えがわかる段階まで到達することができるはずです(ここまでくれば,しめたものです)。そして,過去問を解いていくと,何回解いても間違えてしまう不得手な問題(弱点)があることに気づかされます。このような問題は,印をつけるなどして,特に重点的に繰り返し学習するとよいでしょう。
 さらに,余裕があれば,六法の中で過去問の出題の根拠となった条文または判例・先例に,印をつけてみることをおすすめします(例えば,「平28」と小さな字で条文の余白に記載することなど)。
 このような印をつけていくと,司法書士試験でよく出題される条文または判例・先例が一目瞭然となり(意外に,同じ条文等が何度も何度も繰り返し出題されていることがわかります),どこを中心に学習すればよいかが自ずとわかるようになります。

(2) 記述式問題について
 本試験の記述式の過去問を学習するのは,初学者の人には荷が重すぎます。ですので,問題文だけではなく,解答例も見ながら,その問題に対してどのように解答するべきか学習しましょう。この場合に,解答例を見ながら自分の手で答えを書き写す作業をオススメします。一見意味がなさそうな作業ですが,そんなことはありません。お習字をするとき,見本を見ながら,あるいは,見本をなぞりながら書きますよね。それと同じ要領です(「学ぶ」の語源は,「真似る」です。)。記述式の問題は,形式的な文言を答えさせるものも多いため,どうしても,形式的な正確性が厳格に求められます(特に登記事項)。形式的な正確性をマスターするにも,是非解答例の書き写しをしてみてください。
 また,本試験で出題されたもの問題を分解して,それぞれ個別に学習する方法もよいと思います。例えば,不登法においては,弁済による抵当権抹消登記,売買による所有権移転登記,金銭債権を被担保債権とする抵当権設定登記が連件で出題されたとしますと,これらを分けて,①弁済による抵当権抹消登記,②売買による所有権移転登記,③金銭債権を被担保債権とする抵当権設定登記をそれぞれ単独で学習する方法です。この学習には,論点ごとに分けた,初学者向けの記述式問題集を教材として利用するとよいでしょう。