【司法書士】学習計画の立て方
~1年の計は元旦にあり~



司法書士齋藤・荒井共同事務所
所長 司法書士 齋藤隆行

 新年あけましておめでとうございます。いよいよ平成29年も幕開けとなり,司法書士試験まで残りあと6か月となりました。
 1年の計は元旦にあり。さて,今回は,学習計画の立て方をとりあげてまいります。
 いうまでもなく,学習計画は,学習レベルに応じて立てなければなりません。そこで,学習レベルに分けてご説明します。

1 学習計画の立て方(初学者の場合)
 初学者向け講座(1.5年,20ヵ月本科生など)を受講されている方は,現在受講されている講座をそのままペース・メーカーとして活用すればよいと思います。これらの講座のカリキュラムは,受験予備校や講師が長年の経験則に従って考えられたものであり,科目の時間割は合理的に組まれているからです。
 例えば,今,講座で不動産登記法を学習している場合には,受講後,講座で学習したことを,繰り返し,もう一度同じ箇所を復習するのです。講座を受講すると,その場では,何となくその箇所を学習した気になりますが,時間が経つと,その時学習したことをすっかり忘れてしまうことも少なくありません。講座を受講したときはわかっていても,後日,その理解があやふやになっては講座を受講した意味がないのです。そこで,受講後時間をおかずに(記憶に新しいうちに),その箇所の理解を完璧にするため,繰り返し,テキストの該当箇所を十分に復習することが肝要です。初学者にとって,何度も繰り返し学習することは,知識や理解の定着に欠かせません。なお,初学者の方の場合,予習はあまりおすすめできません。習っていないところを学習することは,理解しようとしていろいろ調べたりするので,案外に時間がかかり,復習に比べ,効率的ではないからです。

まとめ
現在受講している講座をそのままペース・メーカとして活用する(特に自分で学習計画を立てなくてもよい)。学習方法は,講座で習ったことについて,復習することを中心とすればよい。知識の理解の定着のために繰り返し学習することが大切。

学習に利用する教材
現在受講している講座のテキスト,判例付六法,登記六法,各科目の参考書(必要に応じて)

2 学習計画の立て方(中・上級者の場合)
 中・上級者の場合,すべての科目について,ひととおり学習が済んでいるため,答案練習会(答練)をペース・メーカーとして活用しつつ,学習計画を立てるとよいでしょう。
例えば,答練が科目別の場合には,次回の答練の前の1週間を答練の実施科目の学習にあて,答練実施の翌日を前日に受けた答練の復習にあてた上で,残りの日を次の週に実施される科目の学習をするとよいでしょう(学習は1週間単位で)
 そして,答練の回が進み,午前の部の科目の総合問題,あるいは,午後の部の科目の総合問題が出題されるようになった場合には,出題される科目の出題割合を考慮しながら,学習計画を立てるようにします。具体的には,民法は,午前の科目35問中20問出題されるので(全体に対する出題率は,57%),これを考慮して,学習時間として確保できる時間の60%を民法の学習にあてるのです。例えば,午前3時間,午後3時間,夜3時間の計9時間の学習時間が確保できる場合には,5時間程度は民法の学習時間として確保します。憲法,刑法,商法(会社法)も同様にして学習時間を割り振ります。もっとも,この方法ですと,出題数が非常に少ない科目の学習時間がかなり短くなりますので,そこは,自分の得手不得手など考慮して学習計画を立ててください(例えば,刑法は35問中3問しか出題されないので,全体に対する出題率は,8.5%ですが,これを考慮して学習時間を割り振ると学習時間が足りないと思われる場合には,少し時間配分を多めにするなど。)。
 また,学習計画には必ず予備日(あるいは,予備の時間)を設けておきましょう。そして,その日(その時間)は,計画どおり学習が進まなかった科目の学習にあてましょう。あまりに緻密に学習計画を立てすぎるとこれを達成できない場合にストレスがたまり,ひいては,学習計画に破綻を来すおそれがあるからです。学習計画はあくまで計画にすぎませんので,最初に立てた計画どおりに学習が進まない場合には,学習の進行状況に合わせて,その都度,学習計画を見直すとよいでしょう。
 なお,話が細かくなりますが,答練の正解率が低い問題(難問・奇問)については,あまり時間をかけて復習する必要はありません。それより,正解率の高い問題で自分が間違えた問題の復習に時間を割いてください。難しい問題は,受験生の多くが正解できないので,これを間違えても,他の受験生と点差はつきませんが,正解率の高い問題を間違えると,多くの受験生と点差がつき,本試験では致命傷になりかねないからです。

まとめ

答案練習会(答練)をペース・メーカとして活用しつつ,学習計画を立てる。答練が科目別の場合には,次回の答練の前の1週間を答練の実施科目の学習にあてる。また,答練が総合問題の場合には,出題される科目の出題割合を考慮しながら,学習計画を立てる。学習計画には,必ず予備日(予備の時間)を設け,余裕や柔軟性をもたせる。受講した答練の復習も忘れずに。

学習に利用する教材
答練の問題・解説,過去問(なるべく肢別のもの),記述式の問題集,判例付六法,登記六法,先例集など。