【弁理士】
「パリ条約と国内法の硬い絆:その2」

 

今回のテーマは「パリ条約と国内法の硬い絆:その2」です。

今回もパリ条約6条の7と国内法との関連を見ていきます。

今回は、パリ条約第6条の7(2)についてです。
 これは、国内法であれば「不正競争防止法2条1項22号」が対応していますよ。


(1) 請求人適格

パリ条約→「同盟国において商標に係る権利を有する者」
     この「同盟国」はパリ条約です。
不正競争防止法→「パリ同盟国、WTOの加盟国若しくは商標法条約の締約国の商標に関する権利を有する者(商標権に相当する権利)」
        不正競争防止法
商標法は同じですね。

(2) 請求要件
① 商標等について
パリ条約→「その商標について」
    商標についてのみが要件となります。
不正競争防止法→「その権利に係る商標と同一類似範囲であってその権利に係る商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務」
これも商標法と同じです。

② 承諾等について
パリ条約→「その商標に係る権利を有する者の許諾を得ないで」
不正競争防止法→「その権利を有する者の承諾を得ないで」
これも商標法と同じです。

③ 正当理由について
パリ条約→「正当であることを明らかにしない」
不正競争防止法→「正当な理由がないのに」
これも商標法と同じです。

④ 代理人、代表者について
パリ条約→「同盟国において商標に係る権利を有する者の代理人又は
     代表者」

不正競争防止法→「その権利を有する者の代理人若しくは代表者又は
      その行為の日前1年以内に代理人若しくは代表者
      であった者」

これは、
商標法では「出願日前」となっていたのが
不正競争防止法では「行為の日前」となっていますがそれ以外は同じです。

(3)効果
パリ条約上では上記の使用があれば、
「その代理人又は代表者が商標を使用することを阻止する権利を有する」
不正競争防止法では、
「上記の行為を不正競争行為とし、不正競争行為に該当すれば差止請求等できる」
としています。

つまり、前回の情報と統合させると、パリ条約6条の7の(1)の方は、商標法53条の2が担当し、(2)の方は不正競争防止法2条1項22号が担当する。という感じで、パリ条約の規定を日本では法域をまたがって独自の方法でかっちり遵守していますよ。
他にもこんな関係での「パリ条約と国内法の絆系」がありますので、ご紹介しますね。

1. 周知商標を保護系
パリ条約6条の2
商標法4条1項10号
不正競争防止法2条1項1号

2. 国の紋章を保護系
パリ条約6条の3
商標法4条1項1号、2号、3号、5号
不正競争防止法16条、17条

さらには、こんなバリエーションも。
「パリ条約、TRIPs協定、国内法の絆系」もありますよ。
1.不使用商標に対する措置系
パリ条約5条C
TRIPs協定19条
商標法50条

2.商標の譲渡に対する措置系
パリ条約6条の4
TRIPs協定21条
商標法24条の2

こんな感じで、条約、主要四法(特許、実用新案、意匠、商標)、不正競争防止法等をリンクさせていくと、楽しく勉強でき理解も深まりますよ。しかも、覚える労力も大幅カットできます。是非ご参考になさってください。


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