【弁理士】特許庁も第三者も幸せになる規定 その1


 弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今回のテーマは

「特許庁も第三者も幸せになる規定 その1」

です。

特許法で、なぜこの規定が設けられたかという理由、つまり趣旨は、特許庁の審査官なども審査が楽になり、第三者も監視負担が軽減されて、みんな幸せになれます。だから規定しました。というノリの趣旨が結構あります。こういう似ている趣旨はまとめて覚えてしまった方が効率的ですよ。知識を圧縮できます。
今回と次回の2回にわたり、みんな幸せになる規定を集めてみましたので、ご紹介しますね。

1.誤訳訂正書提出義務の理由(特17条の2第2項)

(1)規定の内容
外国語書面出願の出願人が誤訳の訂正を目的として補正をするときは、特17条4項に規定する手続補正書ではなく、誤訳訂正の理由を記載した誤訳訂正書を提出しなければならないことの規定ですよね。
口述試験で、誤訳訂正書には何を書きますか?と質問すると意外にみんな答えることができないんです。上述の通り「誤訳訂正の理由」ですよね。お当たり前過ぎて難問ですよ。お気をつけくださいね。
(2)趣旨
①第三者
第三者が外国語書面を照会し、外国語書面に記載された事項に基づく誤訳の訂正であるかどうかを判断する際の負担が軽減される。
②特許庁
審査における外国語書面のチェック負担も軽減される。
③その他
翻訳文の記載が外国語書面の記載に基づき補正された事実が明確となる。

2.新規事項追加禁止の理由(特17条の2第3項)

(1)規定の内容
願書に最初に添付された明細書等の記載範囲にはない新規事項追加補正は認められないという規定ですよね。これは平成24年特実第I問に出題されましたよ。急に出題されると意外に書けないものです。今のうちからしっかり覚えておきましょう。
(2)趣旨
①第三者
第三者の監視負担の軽減でされる。
②特許庁
権利付与の迅速化を図ることができる。
③その他
制度の国際的調和のため。

3.外国語書面の翻訳文が審査及び特許権等の対象となる理由(特36条の2第8項)

(1)規定の内容
外国語書面の翻訳文の特許法上の位置付けは、「翻訳文」が「願書に添付した明細書等」とみなされるという規定です。この規定って、結構重要ですよ。例えば、公開公報が翻訳文も原文も掲載される。と言えるのはなんとこの規定が根拠条文なんです。特64条2項4号の「願書に添付した明細書等」は外国語書面では「翻訳文」になりますし、同6号の「外国語書面等に記載した事項」は「原文」ですよね。
(2)趣旨
①第三者
特許権等の範囲が外国語書面で確定されるとすると、第三者は常に外国語書面にあたることが必要となり第三者の監視負担が極めて大きいことを考慮したため。
②特許庁
審査の対象を外国語書面とすると、たとえ翻訳文が提出されたとしても拒絶理由の有無等は外国語書面に基づいて審査しなければならず、迅速な審査に支障をきたすことを考慮したため。



 



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