【弁理士】特許庁も第三者も幸せになる規定 その2


 弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今週は前回に引き続き、

「特許庁も第三者も幸せになる規定 その2」

についてお伝えします。

4.発明の単一性を規定した趣旨(特37条)

(1)規定の内容
特37条は「発明の単一性」についての規定ですね。一つの出願に一つの発明しかだめでは出願人は発明ごとに出願しなくてはいけなくて、お金かかるし手間かかるし。だから、なるべく一つの出願に何個も発明を入れ込んで出願したい。第三者的にも一つの出願にいっぱい発明がある方が文献としては活用しやすいですよね。でもそうすると、審査する審査官にとってはつらいですよね。一つの出願を処理するのに時間かかって、なかなか次にお仕事に着手できなくて、お仕事のモチベーション下がってしまいますよね。やっぱり、お仕事って一つ一つの単位が小さくて、次々処理できる方がミニ達成感あって、断然やる気でますよね。そんなみんなの願いをかなえるため、どうしようか?というときに、一つの出願に発明を何個も入れていいけど、その発明は「同一の又は対応する特別な技術的特徴を有している技術的関係がある」場合(特施規25条の8)にしましょう。ということで丸くおさまりました。ということです。まとめると以下のようになります。
(2)趣旨
①第三者
第三者にとっては、関連する発明の情報が効率的に入手可能となる。特許情報の利用や権利の取引が容易となる。
②特許庁
特許庁にとっては、関連する発明をまとめて効率的に審査することができる。
③その他
技術的に所定の関係を有する複数の発明は、別々に複数の出願とするよりも、一つにまとめて出願する方が、出願人にとっては出願手続が簡易になる。

5.実用新案登録に基づく特許出願の出願時に実用新案権を放棄する理由(特46条の2第1項柱書)

(1)規定の内容
特46条の2は実用新案登録に基づく特許出願ですね。実用新案制度の魅力向上の一環として導入され、実用新案が登録されてしまったにもかかわらず、特許出願に乗り換えることができる制度ですね。ここで、実用新案登録出願であれば、出願は特許庁に係属していて原出願は特許庁管轄で取下擬制され(特46条4項)、ダブルパテント防止を担保しています。でも、登録されてしまうと特許庁の係属が離れてしまうから自ら積極的に実用新案権の放棄をしないといけないですよね。そして、更に以下の理由で実用新案権を放棄することにして第三者と特許庁の幸せを確保しています。
(2)趣旨
①第三者
実用新案登録に基づく特許出願と基礎とした実用新案権が併存した場合の第三者の監視負担を配慮した。
②特許庁
二重の審査(同一の技術について特許審査及び実用新案技術評価書の作成)による特許審査の遅延に配慮した。



 



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