【弁理士】審判の虜(その5)


弁理士試験受験生の皆様。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今回のテーマは「審判の虜(その5)」です。

今回は、前回の続きです。

3.審判長指定
  審判長の選任に関しても、特許異議の申立ては「特116条で特138条を準用」です。
  だから、これも審判で内容を学習すれば、大丈夫ですよ。
  というわけで、審判の方の条文特138条を見ていきましょう。

特138条
1 特許庁長官は、前条第一項の規定により指定した審判官のうち一人を審判長として指定しなければならない。
2 審判長は、その審判事件に関する事務を総理する。

 審判長って、審判合議体の司会進行役なんですよね。でも、審判官が話合いで決めるのでなく、「特許庁長官」が指定します(特138条1項)。末尾は「しなければならない」で、裁量「できる」にはなっていませんよ。
 さらに、審判長の主なお仕事が2項に記載されていて、「その審判事件に関する事務を総理」なんですね。意外にこれも見落としがちですね(同2項)。

4.審判書記官指定
 特許異議の申立の「審判書記官(特117条1項)」について、条文では以下のように規定されています。

特117条1項
1 特許庁長官は、各特許異議申立事件について審判書記官を指定しなければならない。

 一方、審判での「審判書記官(特144条の2第1項、2項)」について、条文では以下のように規定されています。

特144条の2
1 特許庁長官は、各審判事件(第百六十二条の規定により審査官がその請求を審査する審判事件にあつては、第百六十四条第三項の規定による報告があつたものに限る。)について審判書記官を指定しなければならない
2 審判書記官の資格は、政令で定める。

 ちょっと気になる1項のかっこ書きは、特137条1項のかっこ書きと同じです。
 「前置審査」に付され「特許庁長官に報告」(164条3項)になった場合は、審判で審理となるので審判官を指定し更に審判書記官も指定しますよ。
 詳細は「審判の虜(その3)」をご覧下さい。

 あとは、その他の内容としては、

特144条の2
3  特許庁長官は、第一項の規定により指定した審判書記官が審判に関与することに故障があるときは、その指定を解いて他の審判書記官を指定しなければならない。
4  審判書記官は、審判事件に関し、調書の作成及び送達に関する事務を行うほか、審判長の命を受けて、その他の事務を行う。
5  第百三十九条(第六号を除く。)及び第百四十条から前条までの規定は、審判書記官に準用する。この場合において、除斥又は忌避の申立てに係る審判書記官は、除斥又は忌避についての審判に関与することができない。

 この特144条の2第3項から5項の内容は、特許異議の申立では117条2項で準用しています。
 さらに、特許庁長官が指定したけど、審判に関与することに故障がある審判書記官だったら、そのまま強行するのではなく、指定を解いて他の審判書記官を指定します。この指定も「特許庁長官」ですね(同3項)。
 あとは、審判書記官は、「調書の作成及び送達に関する事務」とか、「審判長の命を受けて、その他の事務」もするんですね。
 なんだか忙しそう。
 あとは、審判書記官の審判官の除斥又は忌避と同様ですね。

 ご参考になさってください。