【弁理士】審判の虜(その6)


弁理士試験受験生の皆様。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今回のテーマは「審判の虜(その6)」です。

今回は、前回の続きです。

5.方式審理
 方式審理は、審判長が行います。方式審理には2種類あります。
 一つは、補正をすれば瑕疵が治癒できるのもの、もう一つは、補正により瑕疵が治癒できないものです。
 上記の双方の審理は、審判での条文(133条、133条の2)を、特許異議申立ての条文で準用しています(120条の8第1項)。
 では審判の方の条文で、方式審理についてお伝えしますね。
 (1)方式に違反した場合の決定による却下(133条)
  では、条文を見ていきましょう。

特133条
1 審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。
2 審判長は、前項に規定する場合を除き、審判事件に係る手続について、次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、その補正をすべきことを命ずることができる。
一 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
三 手続について第百九十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
3 審判長は、前二項の規定により、審判事件に係る手続について、その補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又はその補正が第百三十一条の二第一項の規定に違反するときは、決定をもつてその手続を却下することができる。
4 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。

 実は、この133条の方式審理にも2つの種類の審理が組み込まれています。
 1つは1項の131条で求められている審判請求書の記載事項違反に関するもの、もう1つは、2項の審判請求の手続き自体が違反に関するものです。
 2つとも、「審判長」が方式審理し、補正命令を出しますよ。
 でも、注意点があります。
 1項の方は文末が「命じなければならない(must)」、2項の方は文末が「命ずることができる(can)」です。
 1項の「審判請求書」はこんな感じでお願いしますという感じで131条に規定されていて、これに違反していると方式補正命令が出ます。
 一方、2項は、「審判請求書」ではなく、手続き自体、例えば、未成年が審判請求してしまっている(133条2項1号、7条1項)とか、手数料を納付していない(133条2項3号、195条)などの違反についてです。
 とはいえ、この2つは双方、補正すれば瑕疵が治癒しますね。
 そして、せっかく補正したら瑕疵が治癒できるのに補正しなかったら、審判長は手続きを却下します。
 方式補正命令に対して(3項中の記載「前二項の規定により」)だけでなく、実はもう1つ、手続き却下されてしまうことが3項中に規定されていますね。
 「第131条の2第1項の規定に違反」、つまり、審判請求書の補正について違反がある場合も手続きを決定却下されてしまいます。3項の文末は「却下することができる(can)」ですね。

 ご参考になさってください。