【弁理士】
読み替えって、正直無理なんですけど・・・
(具体例ご紹介編その1)


 弁理士試験受験生の皆様。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今回のテーマは「読み替えって、正直無理なんですけど・・・(具体例ご紹介編その1)」です。

 今回からは、お問い合わせ・ご質問殺到の「159条と163条」の読み替えのご紹介をしていきますね。
 159条1項と163条1項はそれぞれ拒絶査定不服審判の審理、前置審査での53条1項の読み替え、159条2項と163条2項は、それぞれ拒絶査定不服審判の審理、前置審査での50条の読み替えです。
 今回は53条1項の読み替えのご紹介をしていきますね。
 読み替え攻略にはまず、読み替え元の条文をがっちり押さえておく必要があります。
 というわけで、53条1項を理解しましょう。

1.53条1項は、どんな規定????

 補正の時期が、
・最初の拒絶理由に応答(特17条の2第1項1号)
 で、拒絶の理由の通知と併せて特50条の2の規定による通知をした場合

・最後の拒絶理由に応答(特17条の2第1項3号)

の場合は、
客体的要件として、

① 新規事項を追加する補正(特17条の2第3項)
② 発明の内容を大きく変更する補正(特17条の2第4項)
③ 請求項の削除、特許請求の範囲の限定的減縮、誤記訂正、拒絶の理由に示す事項についてする明りょうでない記載の釈明を目的としない補正(特17条の2第5項)
④ 独立して特許を受けられない補正(特17条の2第6項で準用する特126条7項)


 を、違反しない補正ということが課されます。

 でも、上記の客体的要件(①から④)のどれかに違反した場合は、再度の拒絶理由を通知されず、審査が終了、補正却下、そして、補正前の状態に戻ってしまいます。という規定です。
 なぜこのように規定したかというと、「審査の迅速性が確保され難いこととなる。」からです。

2.前置審査があったときの補正、又は前置審査中の補正についての読み替え「163条1項」

 時期的要件は、
 53条1項の
 「第17条の2第1項第1号又は第3号」の時期は、
 『第17条の2第1項第1号、第3号又は第4号』と読み替えます。
 前置審査中の補正「第17条の2第1項第1号、第3号」の他に、
 前置審査にまさに付されるときの補正「第17条の2第1項第4号」についても、
 上記の53条1項のところで記載した、客体的要件(①から④)が課され、それに違反した場合は、53条1項と同様に、補正が却下されます。
 ということです。

 さらにこの読み替えには、
 「補正が」→『補正(同項第1号又は第3号に掲げる場合にあっては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が』という読み替えがあります。
 つまり、審判の前の審査での補正要件違反を前置審査で発見した場合は、補正却下はされない。ということなんです。
 なぜかというと、
 補正が適法であることを前提に、審判手続を行っている請求人にとって酷だからです。

 あとは、この読み替えは審査特有ですので159条1項にはないですが、前置審査を行う審査官に対して、「除斥」は準用していますね(48条準用)。

3.拒絶査定不服審判の審理中等の補正についての読み替え「159条1項」

 審判の審理中の補正についての読み替え「159条1項」は163条1項と同様です。
 まず、上記の時期的要件として、
 「第17条の2第1項第1号又は第3号」の時期は、
 『第17条の2第1項第1号、第3号又は第4号』と読み替えます。
 審判の審理中の補正「第17条の2第1項第1号、第3号」の他に、
 前置審査にまさに付されるときの補正「第17条の2第1項第4号」についても、
 上記の53条1項のところで記載した、客体的要件(①から④)が課され、
 それに違反した場合は、53条1項と同様に、補正が却下されます。
 「第17条の2第1項第4号」について追加のご説明をすると、前置審査で補正の適法性は審査官がチェックしますが、ここでの補正が不適法である場合、特許査定される場合を除き前置審査では補正が却下されず(164条2項)、特許庁長官への報告になります(同条3項)。
 そして、結局、特許庁長官報告後審判合議体が形成されて、審判の実体審理になりますが、前置審査で不適法な補正とされた補正は審判で補正が却下されます。
 「補正が」→『補正(同項第1号又は第3号に掲げる場合にあっては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が』という読み替えも、163条1項と同じです。


 次回は50条の読み替え「159条2項と163条2項」についてご紹介しますね。





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