【弁理士】
「TPP11、12月30日発効。そして法改正(商標法・著作権法編その1)」


 弁理士試験受験生の皆様。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今回のテーマは「TPP11、12月30日発効。そして法改正(商標法・著作権法編その1)」です。

今回は、商標法と著作権法の改正ポイントです。

【商標法】

「商標不正使用に対する法定の損害賠償等」

 TPP協定の条文18.74 条では、「商標の不正使用について法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度を設けること」を参加国に義務付けています。
 これに対応して、日本は、商標の不正使用に対する法定の損害賠償制度に関し、「生じた損害を賠償する」という民法の原則を踏まえた上で、所要の措置を講じています。
具体的には、現行法において、権利者は所定の額を損害額とできる規定を選択してその賠償を請求することができます。改正により、現行規定に加え、商標権の取得及び維持に通常要する費用に相当する額を損害額(最低額)として請求することも選択可能となります。


【著作権法】

「著作権者等に認められる権利について」

1.著作物等の保護期間の延長

 TPP協定の条文18.63条では、「著作権及び関連する権利の保護期間が70年」と義務付けています。
 これに対応して、日本では、著作物等の保護期間が50年から70年になります。
 保護期間が20年間延長されると、人気作品から継続的に収益を得て、次の創作や新人の発掘・育成を行うことや、アニメ、漫画等のコンテンツを輸出することによる利益の拡大が見込まれることなどが言われています。
一方、保護期間が20年間延長されるということは、他人の著作物の自由な利用が可能になるのがその分遅くなってしまいます。したがって、50年経っても注目される作品について影響を受けますね。また、昔の著作物を広く保存・公開することを主目的とするアーカイブ事業にとっても大きな問題となります。

2.配信音源の二次使用に対する報酬請求権の付与

 TPP協定の条文18.62条では、「実演又はレコードの放送及び公衆への伝達について、実演家及びレコード製作者に原則として排他的権利を付与すること」を義務付けています。更に、WPPT(実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約)第15条(1)及び(4)では、実演家及びレコード製作者に報酬請求権を付与することも当該義務は履行することが可能と規定しています。
 WPPT第15条(1)及び(4)に基づく場合には,商業上の目的のために発行されたレコード(CD等の有体物に固定されたものをいう。)のみならず、「公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態におかれたレコード」(CD等を介さずインターネット等から直接配信される音源(いわゆる「配信音源」)をいう。)を放送等に用いる場合についても、実演家及びレコード製作者に対し,報酬請求権を付与することが必要となります。
 これに対応して、現行法においては実演家及びレコード製作者には放送事業者等がCD等の商業用レコードを用いて放送又は有線放送を行う際の使用料請求権は認められていましたが、改正によりに使用料請求権についての対象を拡大し、配信音源を用いて放送又は有線放送を行う場合についても、使用料請求権が付与されます。

 つづきの著作権法の改正(「侵害行為に対する措置」)は次回にしますね。




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