【弁理士】
「TPP11、12月30日発効。そして法改正(商標法・著作権法編その2)」


 弁理士試験受験生の皆様。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今回のテーマは「TPP11、12月30日発効。そして法改正(商標法・著作権法編その2)」です。

 今回は、前回の続きで著作権法の改正ポイントです。

【著作権法】

「侵害行為に対する措置」

1.著作権等侵害罪の一部非親告罪化

 TPP協定の条文18.77条では、「著作権,実演家の権利又はレコードに関する権利を侵害する複製に係る罪のうち、故意により商業的規模で行われるものについて、非親告罪とすること」ことが定められています。
 これに対し日本では、現在親告罪とされている著作権等侵害罪について,以下のすべての要件を満たす場合に限り、非親告罪の対象となります
(1)対価を得る目的又は権利者の利益を害する目的があること
(2)有償著作物等(有償で公衆に提供又は提示されている著作物等)について原作のまま譲渡・公衆送信又は複製を行うものであること
(3)有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が不当に害されること
 例えば、販売中の漫画や小説本の海賊版を販売する行為や映画の海賊版をネット配信する行為は非親告罪となります。


2.アクセスコントロールの回避等に関する措置

 著作物の無断複製・利用を防止する保護技術には、(a)複製行為などを禁止する技術的手段であるコピーコントロール(コピーガードなど)や(b)閲覧などを禁止するアクセスコントロール(スクランブル放送など)があります。
 TPP協定の条文18.68条では、著作物等の利用を管理する効果的な技術的手段(アクセスコントロール)について、「著作者等が自己の権利の行使に関連して用い、並びにその著作物等について許諾されていない行為を抑制する効果的な技術的手段の回避に対する適当な法的保護等を与えるため、著作物等の利用を管理する効果的な技術的手段を権限なく回避する行為の行為等を民事上の救済措置等及び刑事罰の対象とすること」等が定められています。
 これに対し日本では、著作物等の利用を管理する効果的な技術的手段等を権限無く回避する行為について、著作権者等の利益を不当に害しない場合を除き、著作権等を侵害する行為とみなすとともに、当該回避を行う装置の販売等の行為について刑事罰の対象とします。
 簡単に言うと、現行法ではコピーコントロールの回避行為等はすでに刑事罰の対象とされていましたが、アクセスコントロールの回避行為それ自体は規制対象外でした。改正により、アクセスコントロールの回避行為も規制対象となります。

3.損害賠償に関する規定の見直し

 TPP協定の条文18.74条では、商標不正使用に対する規定と同様「著作権等侵害に対する法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度を設けること」を参加国に義務付けています。更に、著作権等については「権利者を補償するために十分な額を定め、及び将来の侵害を抑止することを目的として定める」こと等の注記が付されています。
 これに対し日本では、侵害された著作権等が著作権等管理事業者により管理されている場合は、著作権者等は,当該著作権等管理事業者の使用料規程により算出した額(複数ある場合は最も高い額)を損害額として賠償を請求することができるようになりました。




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