【ビジ法】
直前対策シリーズ①
「本当の勝負はこれから」


TACビジネス実務法務検定試験®講座
専任講師 田畑 博史


 ビジ法試験を受験される皆さん、こんにちは。いよいよ本番まで1ヶ月を切りました。TACで受講されている方も、そろそろ講義が終了し、あとは答練、模試を残すのみとなっていることと思います。このように講義が終了し、他の受験生を見かける機会もなくなって今まで張りつめていた気持ちから解放されると、途端にモチベーションが下がってしまう受験生を私は多く見てきました。しかし、本当の勝負はこれからです。極端に言えば、今から勉強を始めて合格される受験生の方も実際におられますから、負けてられません。そこで、今回からは、直前対策シリーズと題して、本番までの1ヵ月の間にやっておいて欲しいことをお話しします。

1.過去問を解くこと!

 過去問の重要性は3級でも2級でも変わりません。そこで、過去に実施されたビジ法3級、2級の問題を通しで解くための日を是非設けて欲しいと考えています。出来れば、本番と同じ日曜日の時間に、実際に試験を受けているつもりで解いてみてください。日曜のこの時間は、ビジ法の問題を解くんだということを頭に覚えさせ、本番で最大限に実力を発揮させるためです。日曜日は残り3回ありますから、昨年の7月、12月に実施されものと一昨年の12月に実施されたものを選ぶと良いでしょう。もっとも、既に解いてしまっている場合は、まだ解いていない回のものを選んでも良いです。ただし、あまり古いものだと法改正により正解が変わってしまっているものもあるので、近3年以内のものから選んでください。


2.勉強を進める流れ

 直前期に入ると、どうしても苦手な分野、細かい分野に目が行きがちです。しかし、細かい分野を勉強するのは、最大でも本番の2週間前までに終わらせるべきです。誰しも、近いところの記憶ほど鮮明に残るものですから、直前になればなるほど、細かいところよりも基本事項、最も出題可能性の高い分野の勉強に充てるべきなのです。
 目安として、あと10日程度は普段あまり見ないような分野、その後、試験の前々日までは基本事項の確認、試験前日、当日は苦手分野の確認という流れで勉強すると良いです。


3.完璧主義は捨てる!

 注意点として、細かい分野を完璧に覚えようとしないことが大切です。というのは、法律なんて、そもそも完璧には出来ていないのです。大抵の場合、原則はこうだが、例外もあるという規定になっていますし、試験科目にないような他の法律も知らないとわからない部分もあります。また、すべての選択肢を判断出来なくても、確実に判断できる選択肢がいくつかあれば正解が出せる問題も多いです。あいまいな知識を10備えるよりも、確実な知識を3備えるという体制を整えてください。そして、その確実な知識にすべき内容こそ、過去に何度も問われている部分ということになります。例えば、2級でよく出題される破産手続、民事再生手続、会社更生手続のところは、似たような内容が混在していてややこしいと思います。ただ、毎度毎度出題される内容は、担保権が別除権かどうか、債権者が開始決定前後いずれに取得した債権を有しているかによる手続の違いです。ここさえ確実に押さえておけば、かなり正解の確率を上げることができます。


4.勉強時間以外の時間も有効に活用する

 試験は、本番だけ普段していないようなことをするというのは無理です。例えば、普段、適当に文章を読む癖のついている人は、本番でも、適当に文章を読んでしまいます。以前、ある有名なスポーツ選手が「練習では出来ることでも、試合ではなかなかできない。しかし、練習でさえ出来なかったことを試合で出来たことはない。」とおっしゃっていました。これは、試験でも同じことだと思います。本番でこのようにしたいと思うことがあるのであれば、それは普段からしておく必要があるのです。そこで、友人等との日常的なメール、趣味で行っている読書、日頃読む新聞や雑誌、これらを見る時にも、適当に読み流すのではなく、一言一言しっかりと目を光らせることを試験の日までは心掛けるべきです。あと、共同抵当の問題等では、簡単な計算をしないと正誤の判断ができない問題もあり得ます。簡単な整数比の計算でも、普段から計算機に頼っているとなかなか難しいものです。そこで、試験の日までは、お金の計算なんかも出来るだけ計算機を使わないでするように心掛けると良いでしょう。机に向かって勉強する時間よりも、このような時間が占める割合の方が多いでしょうから、その時間を有効活用すると良いです。

 では、次回は、直前期に見直しておくべき分野や内容をお話しします。