【ビジ法】
「第43回試験・3級総括」


TACビジネス実務法務検定試験®講座
専任講師 田畑 博史


 皆さん、こんにちは。そして、本試験お疲れさまでした。先週、ビジ法第43回の試験が終了しました。そこで、今週からは、総括として、出題傾向に見る今後の対策についてお話したいと思います。今回は3級についての総括を、正誤問題、空欄補充問題、4択問題に分けて検討します。


1.出題割合

 前回の第42回と比較すると、強制執行手続が空欄補充問題で出題されたため、民訴グループからの出題が若干増えましたが、例年通り、民法グループから半分程度の問題が出題され、その他、全体的な出題割合には大きな変化はないと言えます。したがって、以前このブログでお話しした出題割合の傾向は今後も大きな変化なく踏襲されるものと考えます。


2.正誤問題

 100点中30点分を1問1点として30問出題される正誤問題では、改正民法からの出題が1問(第4問コ)、個人情報保護法の改正部分からの出題が1問(第4問ア)あった他、比較的細かい分野からの出題がありましたが(具体的には、第4問オ、キ)、全体的には基本的な問題からの出題が多かったと思います。よって、改正民法からの出題についても、今年度はこの程度の出題にとどまるものと考えられます。また、とりわけ、細かい2問にこだわる必要もないです。絶対評価で実施される試験では、受験生の全員が満点を取ると、試験を実施する意味がなくなってしまうため、満点を取らせないように、このような問題を数問盛り込むものなのです。したがって、極端な話、この2点を捨ててしまっても良いので、他の28点分を正解すべきでしょう。もっとも、今までにないような角度からの出題(第4問イ)も見受けられましたが、聞いたことのないような知識は誤りと考えた方が正解になる可能性が高いでしょう。


3.空欄補充問題

 100点中40点分を1空欄1点として5つの空欄×8問で出題される空欄補充問題では、定番からの出題が多かったです(例えば、民法グループから解除、不動産登記、不法行為責任、代理、商法グループから株式会社の基本原則、労働法グループから労働時間と就業規則)。これに加えて、消費者保護法からの出題と、強制執行手続を問う問題がありました。強制執行手続が空欄補充問題になることは珍しく、消費者保護法の問題も、9-1アで消費者庁を入れさせる部分は難しかったかもしれません。このように空欄補充問題は、民法から4、5問、商法、労働法から1問、それ以外から2問という割合が基本スタンスです。また、正確な知識で語群から正解を選べればベターですが、一見難しそうで、わからない箇所があった場合でも、文章をよく読み、それらしい語句を語群から見つけることは、国語力があれば充分対応可能であると考えます。よって、得点を稼ぎやすい出題形式なため、ここでどれくらい点数を確保できるかが、合格点を取れるかどうかのボーダーラインとなるでしょう。


4.4択問題

 100点中30点分を1問2点として15問出題される4択問題は、単に正解を出すという目的だけを考えると容易な問題が多かったです。ただし、個数問題が1問、実質的な個数問題となる〇×が並ぶ問題も2問あったことから、この3問は正解しづらい問題ではありました。また、第3問エ、第6問オは、本来2級で問われそう内容を3級で出題してきているため、3級対策だけで受験した方には、少し厳しい問題であったかと思います。これ以外にも、実際に正解を出す分には影響がないまでも、個々の選択肢を吟味していくと、問われたことのないような角度や細かいと思われる部分を出題しているところもあります。よって、4つの選択肢をすべて正誤判断することを目指すのではなく、むしろ、確実に判断できる部分だけで正解を出すことを目指すことが合理的です。


5.今後の傾向と対策

 3級は、半分程度が民法からの出題となるため、もう少し改正民法からの出題があるものと予想しましたが、正誤問題で1問(1点分)、しかも、単なる用語の変更が問われただけにとどまったことは、思った以上に少なかったです。よって、次回の44回試験を受験する上でも、改正民法からの出題は多くても3点程度、ほとんどが改正に影響のない部分から出題されると考えて良いでしょう。
 難易度については、極めて容易な内容であった前回に比べると難しくはなりましたので、合格率も多少下がるとは思いますが、70%前後は維持されるのではないかと思います。よって、次回以降も3級はこの程度の難易度の問題が出題されると考えて良いです。
では、次回は、第42回試験2級について総括します。