【ビジ法】
「苦手分野を克服しよう!②」


TACビジネス実務法務検定試験®講座
専任講師 田畑 博史


 ビジ法試験を受験される皆様、ビジ法試験の受験を検討されている皆様、こんにちは。前回に引き続き、苦手分野のポイントをお話しします。今回の分野は倒産処理です。


1.倒産処理の全体構造

 倒産処理とは、債務者が経済的に破綻した場合に、その債権・債務を清算する手続のことを言いますが、その手続として、破産民事再生、会社更生と3種の手続があります。
 例えば、会社が債務超過となった場合、その会社を潰してしまうことで結末をつけることが破産、もう一度立直しを図るために一旦清算することが民事再生、会社更生です。そこで、前者は清算型整理、後者を再建型整理と言います。ビジ法3級では、ここまでの知識があれば充分です。正誤問題で時々出題される程度です。他方、ビジ法2級では、大抵、破産から1問、民事再生か会社更生から1問出題されますので、5、6点分出題されます。しかし、各種手続は似ている部分も多く、用語も難しいため、混乱しがちなところです。そこで、よく出題されるポイントを整理して、たとえ全ての選択肢が判断出来なくても、何とか正解だけは出せる態勢を整えましょう。


2.開始決定前の債権・債務

 破産手続、民事再生手続、会社更生手続はいずれも、裁判所に申し立て、裁判所が手続を開始することを決定したところから始まります。そこで、それぞれの開始決定前の取引に基いて債権を有していた債権者については、原則として、手続に則って弁済を受けることとなります。これは、3種の手続に共通です。これを、破産手続では、破産債権、民事再生手続では、再生債権、会社更生手続では、更生債権と呼び方が異なりますが、いずれも同じような意味だと考えると良いです。弁済することが困難だからこそ、清算処理をしようとしているのに、我先にと、各々の債権者が権利行使していては収拾がつかないからです。
 ただし、単なる債権者ではなく、抵当権のような担保権を有している債権者については扱いが異なります。この点、破産手続民事再生手続においては、手続に則らずに担保権を行使できます。これを別除権といいます。元々、抵当権のような担保権を有する者の多くは、優先的に弁済してもらえる権利を持っていたのだから、倒産処理手続きにおいても、有利に取り扱ってあげようということです。他方で、会社更生手続においては、担保権者といえども個別に行使することは許されません。これを更生担保権といいます。会社更生手続は大規模な株式会社を再建することを目的に行われる手続なので、担保権を有する債権者も含めて画一的に清算することにしているのです。



3.開始決定後の債権・債務

 逆に、手続開始決定後の取引に基いて債権を取得した債権者は、手続に則らずに、随時弁済を受けることができます。これも、3種の手続に共通です。これを、破産手続では、財団債権、民事再生手続、会社更生手続では、共益債権と呼び方が異なりますが、いずれも同じような意味だと考えると良いです。手続開始決定後の取引で発生した債権は、元々清算の対象となっていなかったため、手続に則る必要がないと理解すれば良いでしょう。また、特に再建型の場合、手続開始決定後もどんどん取引をしていかないと会社を立て直すことができないです。そこで、随時弁済を受けることのできる立場を与え、窮地に陥っている会社との取引を応援しているという側面もあるのかもしれませんね。  以上、今回お話しした内容は、倒産処理の問題では、必ず出題されます。これだけでも整理出来ていると、かなりの選択肢を絞り込むことが可能になります。それが組合わせ問題であれば、およそ2択くらいまでは絞り込めるものと思います。


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