【ビジ法】「無理をしない!」


TACビジネス実務法務検定試験®講座
専任講師 田畑 博史


 皆さん、こんにちは。前回は、無駄を省き、効率的に勉強する方法として、問題文の仕分けと弱点集のお話をしました。今回は、無理なく合格点である70点をとるための戦略をお話しします。


1.戦略の重要性

 受験生の皆さんも、勉強が大好きだという人は少ないのではないでしょうか。正直、私も、勉強は嫌いですし、コツコツ努力するということは最も苦痛です。そんな方に特におススメしたいのが、戦略を立て、必要最小限度の努力で合格を勝ち取る方法です。試験に合格するためには、勉強の積み重ねも大切ですが、それと同じくらい、むしろそれ以上に戦略が大切だと私は考えています。というのも、戦略を立てると、自ずと合格するために今後何をすべきなのかが明らかになります。逆に、戦略なしにダラダラと勉強しているとなかなか重要なところが身に付かず、いたずらに勉強時間だけがかかってしまいます。特にビジ法試験の場合、多分野から出題され、各分野における出題割合も概ねわかっている上、70点を取れば間違いなく合格できるのですから、いかにして70点を取るかの戦略を立てることが効率的です。


2.実際に私が立てた戦略

 私がビジ法3級、2級をダブル受験した際には、以下のような戦略を立てました。
 まず3級では、民法が50点程度、商法・会社法で10点程度出題されますから、ここは満点を取ろう。そうすると、あと40点中10点で合格できる計算になります。3級は難しい問題であっても4択問題ですから、単純計算で適当にマークしても1/4は正解出来るため、その他の勉強は要らないと考えました。
 次に2級では、民法、商法、会社法あわせて50点程度です。ここで悪くても45点を確保する。あと、民訴関連から20点程度、知的財産関連から10点程度なので、ここで20点取ることが出来れば、残りの消費者保護関係の細かい法令や国際法務は捨ててしまっても良い。適当にマークすれば、あと5点くらいは楽に取れるだろうと考えました。
 結果的に、いずれの級もほぼ満点で合格出来ましたが、事前にこの戦略を立てていたことで、事前準備も試験当日も余裕をもって臨めたと思います。


3.無理のない戦略

 私は、民法、商法、会社法が得意であったこともあって、前述のような少々無茶な戦略を立てましたが、受験生の皆さんには、得意不得意分野がそれぞれあるはずです。そこで、得意分野で何点確保出来るかを考え、そこで他分野から何点上乗せすれば70点を取ることが出来るのかを計算すべきです。そして、70点以上を確保出来るという目途がつけば、いくら勉強しても興味の持てない細かい分野なんかは、捨ててしまうくらいの気持ちで良いでしょう。


4.すべての選択肢を判断しようとしない

 ビジ法試験では、①~⑤(3級では①~④)の中から、適切なもの、適切でないものを一つ選ぶだけの問題と、正解を選ぶ選択肢に①アイウ②アイエのような組合せ(2級では3つの組合せが多く、3級では2つの組合せ)が用意されていて、正しいもののみを含んでいる組合せを選ばせる問題が大半を占めます。
 これらの問題形式では、すべての選択肢を正確に判断できなくても正解が出せます。単純に、適切(不適切)なものを選ぶだけであれば、確実に正しい(誤っている)ものが一つわかれば正解を出せますし、組合せの問題でも、例えば、ア正しい、イ誤り、ウ正しい、エ正しい、オ誤りの問題で、選択肢が①アイウ②アイエ③アウエ④イウエ⑤ウエオであったとします。とすれば、イが誤りであることが判断できた時点で、③か⑤しか正解はあり得ないことになり、両者はウエが共通で含まれていますから、もはやウエは読むまでもなく正しいことになります。あとは、アとオの判断さえ出来れば、正解が出せます。ここで言えることは、何もすべての選択肢を確実に判断する必要はなく、核となる部分の知識があれば、充分正解を出せるということです。逆に言うと、曖昧に全体を理解しているよりも、部分的に確実に判断できる知識がある方が良いのです。

 以上、試験の合格は、運任せではなく、狙って勝ち取るものです。完璧主義的な思考は捨て、確実に合格できる無理のない戦略を立ててください。