【ビジ法】
「第44回試験・2級総括」


TACビジネス実務法務検定試験®講座
専任講師 田畑 博史


 皆さん、こんにちは。そして、本試験お疲れさまでした。先週、ビジ法第44回試験の3級総括を行いましたので、引き続き2級総括を行い、出題傾向に見る今後の対策についてお話したいと思います。


1.出題割合

 出題割合については、例年通り、民法グループ、商法グループを合わせると50点前後となるように配分されており、以前のブログ(2017/5/17)でお話しした出題割合の傾向は今後も踏襲されるものと考えます。やはり、この両グループの出来が合否を決定づけると言えるでしょう。
 今回は、想定された分野からの出題が多く、例年と大きく変わる特徴はありませんでした。
ただし、ひとつひとつの選択肢を精査すると、難しいものや迷うような問い方をしているものも見受けられましたので(例えば、2-4のエオはかなり難しい知識ですし、3-3の不正競争のあてはめもかなり細かい部分を問うています。)、確実に判断すべき選択肢を確実に判断できないと正解が出せない問題もあった半面、手応え以上に意外に正解出来ていたという問題もあったかもしれません。
 また、売買契約(6-4)や担保物権(9-1)賃貸借契約(9-3)などは、3級対策として重点的に勉強するテーマです。このことから、2級受験生には、3級合格の知識があることを当然の前提として出題しようとしている意図が見られます。


2.難易度

 前回の第43回試験と比較すると、やや難化したと言えますが、合格率は、おそらく30%台には収まると予想します。本来の2級の適正な合格率は35%前後であると考えますので、今後もこの程度の難易度が維持されることでしょう。
 2級の問題は、前半の20問が3点配点、後半の20問が2点配点となっています。元々は、前半を難しく、後半を易しくという意図での配点であったのでしょうが、近年、このような区別は全くないと言っても良いです。今回の問題を解いてみても、前半と後半とで難易度の差は感じませんでした。よって、前半部分で点数を稼いだ方が断然お得ですね。


3.改正民法対策

 3級でもそうでしたが、2級でも改正民法を真正面から問うた問題は一問のみでした(5-4)。これは、43回試験でも同様でしたが、異なっているのは、前回2点配点の問題で出題していたものを3点配点の問題で出題したことと、前回以上に踏み込んだ内容を問うてきた点です。よって、少しづつではありますが、改正民法にシフトチェンジする過程が見受けられます。とはいえ、実際に改正民法が施行される2020年までは、大きく改正民法に偏った出題がなされることはなく、ほとんどが改正に影響のない部分から出題されるであろうと予想しています。具体的には、2019年度は、引き続き、改正部分を問う問題が1問とそれに加えて、改正民法を前提とした事例処理を問う問題をもう一問くらい出題してくるのではないでしょうか。


4.今後の対策

 前述した通り、今回の問題程度の難易度が今後も維持されるであろうことが予想されます。また、ビジ法試験も40回を超え、過去と同じ問い方を繰り返すだけでなく、少し違った角度から問うことで、簡単に正解を出させない工夫も見られます。しかし、実際に正解を出せるかどうかと、すべての選択肢を判断できるかは別問題です。個数問題で出題されたらお手上げですが(今回、個数問題はありませんでした。)、組み合わせ問題であれば、5肢のうち2肢が切れるだけで、概ね2分の1の確率で正解できる程度にまで正解率を上昇させることができます。そして、2級の出題の大半は、適切なもの(適切でないもの)を一つ選ぶだけか、適切なものの組合せを選ばせる問題ですから、個数問題が仮にすべて不正解となっても合格点は確保できます。出題者側も、すべての選択肢を確実に判断することまでは求めていないのです。そこで、2級対策としては、過去に何度も問われている知識について、確実に判断できるようにして選択肢を絞り込み、正解出来る確率を上げることを第一目標として勉強をすべきです。
 そして、中心テーマとして、やはり民法、商法、会社法に力を入れて勉強すべきです。この分野のウエイトが大きいことは、問題の難易に関わらず共通ですから、この分野で点数を稼ぐのが最も合格への近道と言えるからです。