【ビジ法】
2019「試験に出そうな改正民法①」


TACビジネス実務法務検定試験®講座
専任講師 田畑 博史


 ビジ法試験を受験される皆様、ビジ法試験の受験を検討されている皆様、こんにちは。先週のお話しで、ご自身の勉強の方向性が見えてきたのではないかと思います。そこで、今回からのテーマは、多くの方が気にされている改正民法についてです。


1.ビジ法試験での出題

 2017年の通常国会において、民法の大きな改正が行われました。その後も、何度か部分的に改正がなされています。もっとも、改正されたからといってすぐに使われるわけではなく、大きい改正部分の施行は2020年4月となっています。資格試験の場合、試験実施時点で施行されていない法律を出題することは通常ないのですが、ビジ法試験では、前年の12月の時点で成立している法令を基に出題されることになっています。そして、昨年実施された43回試験以降、実際に改正された民法からも出題されています。


2.出題は限定的

 とはいえ、実際に昨年のビジ法試験で改正民法から出題されたのは、3級の正誤問題で一問、2級では丸々一問あっただけにとどまりました。点数にすると、3級では1点分、2級では3点分なので、極めて限定的な出題といえます。内容的にも、3級では、用語が変更されたことについての正誤判断、2級では、主だった変更箇所についての基礎知識でした。改正民法は、まだ議論が尽くされているとはいえません。また、施行前ですから、当然ながら、改正民法に基づいた判例はありません。したがって、今年度の試験もこの程度の出題か、若干増える程度にとどまり、大半は改正に影響のない知識が問われると予想しています。具体的には、3級では、引き続き用語の変更を中心に正誤問題で一問、に加えて、配点2点の4択問題で、改正ポイントをまとめた出題が一問なされるのではないでしょうか。2級では、引き続き、改正ポイントをまとめた問題一問、に加えて、改正民法を前提とするような選択肢が数肢、織り交ぜられる程度であると考えます。


3.出題が予想される改正民法

 そこで、今年度のビジ法試験対策としては、改正民法の中でも、今後、契約関係や日常生活に大きく影響しそうな目玉部分を知っておくと良いでしょう。中でも、今回は、身近なテーマとして、成年となる年齢を取り上げます。
 現行民法では、20歳で成年者、逆に20歳未満を未成年者としています。よって、世の中の成人式も20歳になる人達を対象に催されています。民法では、未成年者を制限行為能力者と位置づけ、簡単に言えば、原則として、単独では契約を結べない者として扱っています。未成年者は、まだまだ発展途上であり、精神的にも経済的にも充分ではないことが理由です。
実際に、自分自身やご家族がリサイクルショップに物を売るときに、親の承諾書がないと買い取ってくれないという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。これこそが、まさにこの制度があるからです。
 この成年となる年齢が、民法改正により18歳になります。公職選挙法の改正により、一足早く、18歳から選挙権が与えられていますが、民法上も18歳以上で、単独で契約が結べるようになるのです。
 これに伴って、結婚できる年齢も変更されます。現行民法では、男なら18歳、女なら16歳で結婚できます。とすれば、結婚はしているものの、年齢的には未成年者だという人も存在するわけです。しかし、民法改正により男女ともに18歳にならないと結婚できないことになります。よって、未成年者なのに結婚しているという事態は今後はなくなるのです。 もっとも、この改正が施行されるのは、2022年4月なので、まだしばらく猶予期間はありますが、その時の成人式はどのように開催されるのか、今から少し心配です。