【ビジ法】
2019 「第45回試験・3級総括」


TACビジネス実務法務検定試験®講座
専任講師 田畑 博史


 皆さん、こんにちは。そして、本試験お疲れさまでした。先週、ビジ法第45回の試験が終了しました。そこで、今週からは、総括として、出題傾向に見る今後の対策についてお話したいと思います。今回は3級についての総括を、正誤問題、空欄補充問題、4択問題に分けて検討します。

1.出題割合
 民法グループから55点分出題され、商法グループから16点分出題されていますので、この2グループだけで合格点の70点以上あることになります。これは例年通りの傾向で、その他、全体的な出題割合にも大きな変化はありませんでした。したがって、以前のブログ(2017/5/10掲載)でお話しした出題割合の傾向は今後も大きな変化なく踏襲されるものと考えます。やはり、民法グループでいかに点数を取るかが勝負といえます。

2.正誤問題
 100点中30点分を1問1点として30問出題される正誤問題では、改正民法からの出題が1問(第1問コ)ありましたが、全体的には基本的な問題からの出題が多かったと思います。改正民法からの出題については、錯誤無効が錯誤取消しに変更されるという、実質的には変更のない、しかもわかりやすい変更部分を問うてきたところを見ると、本年度も昨年と同程度の出題にとどまるものと考えて良いでしょう。
 あえて指摘するのであれば、第1問エの国際取引の分野は、あまり3級受験生の手が回らないところであるため、少し酷であったことと、第8問コの文章が3級にしては長かったことが特徴といえます。

3.空欄補充問題
 100点中40点分を1空欄1点として5つの空欄×8問で出題される空欄補充問題では、民法グループから4問、その他、商法グループから2問、知的財産グループ、個人情報保護法からそれぞれ1問の出題でした。このように空欄補充問題は、民法から4、5問、商法か労働法から1問、それ以外から2問という割合が基本スタンスです。よって、次回は、今回出題のなかった労働法グループ、消費者保護グループ、手形法、特許法が危ないです。
 この点、民法グループから出題は定番からの出題が多かったものの、代理の要件絡みでは、「顕名」を入れさせることが定番ですが、第2問2-イの入る「委任状」が抜かれるのは珍しいです。また、第5問1-エでは「定期借地権」が問われていて、これも珍しい部類に入ります。商法グループからの出題は、会社法から出題された第7問2は定番中の定番でしたが、第9問2は、全体を小切手から出題しており、受験生の勉強が手薄なところを狙ってきた感があります。
 知的財産グループの問題は著作権でした(第4問2)。近年、著作権の対象となる著作物、特許権の対象となる発明、商標権の対象となる商標、実用新案権の対象となる考案、意匠権の対象となる意匠、というように定義を問う出題が多いです。次回に向けて、確認しておくべきでしょう。
 個人情報保護法の問題は、ほとんどの受験生が準備出来ている用語を問う問題でした。
 空欄補充問題は、配点も多く、得点を稼ぎやすい出題形式なため、ここでどれくらい点数を確保できるかが、合格点を取れるかどうかのボーダーラインとなります。また、正確な知識で語群から正解を選べればベターですが、一見難しそうで、わからない箇所があった場合でも、文章をよく読み、それらしい語句を語群から見つけることは、国語力があれば対応可能であることも多いです。

4.4択問題
 100点中30点分を1問2点として15問出題される4択問題は、容易な問題が多かったです。個数問題も出題されなかったため、全問正解することも可能であったと思います。特徴を挙げると、近年難化傾向にある独占禁止法の問題は、第3問アで、やはり長文の具体例で問うてきたことと、第10問イ④では、少し角度を変えた出題をしていること、オabでは、停止条件、解除条件の迷わせる具体例を提示していることでしょうが、多少迷っても、正解は出せる問題が多かったと言えます。

5.今後の傾向と対策
 ビジ法試験も40回以上を重ねましたが、出題分野、出題内容を大きく変更することは出来ません。そこで、何度も出題された知識について、全く同じ形ではなく、少し角度を変えて出題する工夫がなされていることが、ここ数回の出題から読み取れます。とはいえ、マークシートの試験では、思考のプロセス等はどうでもよく、結果的に正解をマーク出来ているかどうかです。よって、4つの選択肢をすべて正誤判断することを目指すのではなく、むしろ、確実に判断できる部分だけで正解を出すことを目指すことが合理的です。
 難易度については、今回はやや易しい部類に入るでしょう。よって、合格率は80%を超えて来るのではないかと予想します。そうすると、想定よりも少し高めになるため、次回は、少なくとも現状維持か難易度を少し上げてくると思います。

では、次は、第45回試験2級について総括します。