【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
8条


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

今週末22日は、衆議院議員総選挙の投票日です。
様々な争点がありますが、投票は、私たちが私たち自身の行く末を決めるものです。私たちが政治に関してものを言える貴重な機会です。候補者の主張、各党の主張に耳を傾けて、ぜひ投票には行きましょう。

また、行政書士本試験まで1カ月を切りました。これから本試験までの勉強は、気持ち的にプレッシャーがかかります。直前期だからこそ、たまにはいい音楽を聴いたり、お出かけしたり。うまく気分転換をしていきましょう。

 それでは今回は、8条を読んでいきましょう。8条は、皇室の財産の授受について規定しています。

【8条】

皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。


シンプルな条文ですね。

誰かが皇室に財産を譲り渡すこと。皇室が誰かから財産をもらうこと。皇室が誰かに財産をあげること。このような皇室に財産が出たり入ったりする場合には、国会が決めなければならない、という条文です。


そもそも、憲法は、その88条で、皇室財産は国有財産となることが規定されています。そうすると、国の財産の出し入れを、国会が決めていくというのは当たりまえの話ということになります。それにもかかわらず、このような規定がおかれたのは、このような規定がないと、皇室の財産の管理ができなくなり、ひいては、皇室に財産が集中することで、戦前のように、皇室が再び大きな経済力をたくわえることを防止しようとする意図があります。

その詳細については、「皇室経済法」という法律が規定しています。

ただし、皇室財産の授受のすべてが国会の議決に基づかなければならないものではありません。国会の議決を経なくても、皇室財産を授受できる場合というのも規定されています。

【皇室経済法 第2条】

左の各号の一に該当する場合においては、その度ごとに国会の議決を経なくても、皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与することができる。
 1号 相当の対価による売買等通常の私的経済行為に係る場合
 2号 外国交際のための儀礼上の贈答に係る場合
 3号 公共のためになす遺贈又は遺産の賜与に係る場合
 4号 前各号に掲げる場合を除く外、毎年四月一日から翌年三月三十一日までの期間内に、皇室がなす賜与又は譲受に係る財産の価額が、別に法律で定める一定価額に達するに至るまでの場合


いうなれば、少額財産の授受のように、皇室に経済力が集中する恐れのないものに関しては、特に国会の議決がなくても行うことができるとされています。

また、皇室経済法では、皇室の財産の関して意見を述べたり、審議したりする皇室経済会議を設けています。その組織とメンバーについても規定しています。
【皇室経済法 第8条】

1項 皇室経済会議は、議員八人でこれを組織する。
2項 議員は、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、財務大臣、宮内庁の長並びに会計検査院の長をもつて、これに充てる。


立法権、行政権の主要メンバーによって皇室経済会議は構成されています。それによって、より一層、皇室経済をチェックする体制を確保しようとしているわけです。

次回は、戦争の放棄について定めた第2章、条文は第9条について読んでいきましょう。

以上




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