【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
9条①


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

先日22日、衆議院議員総選挙の投票がありました。悪天候もありりますが、相変わらずの投票率の低さとなりました。
私たちの未来を決める選挙ですが、選択肢がないから、積極的に棄権するとか、投票にはいかない、という声もきかれました。確かに、どの候補者も信頼できないから投票しないという選択肢もあるところですが、結局は、その選挙区から当選した候補者が国民の信を得た代表ということになります。投票しなくても、だれかが議員になり、その後の政治が行われていくことになります。推しの候補がいなくても、候補者の主張に耳を傾け、「こんな政治がなされたらいやだな。」とか「この候補者が言っていることに疑問を感じる。」とか。消極的な選挙行動ではありますが、自分に合わない候補者に入れず、ほかの候補者に入れるという形で、自分の政治的な意思を投票によって示すということはすごく大切なことです。

政権与党が3分の2を獲得しましたから、この後は改憲の議論も高まってくると思われます。憲法改正を考えるとき大切なのは、これからの私たちが幸せに平和に生きていくこと考えたときに、様々なことを考え、様々なことを踏まえて、あるべき姿を模索することだと思います。議論も必要になります。憲法は、私たちのもので、時の政府や国家権力のものではありません。決して、「改憲ありき」、「護憲ありき」ではなく、私たち自身が一人ひとり真剣に考えて、改正するのかしないのか、改正するならどのような改正がベストなのかを決めていかなければならないと思います。

さて、行政書士本試験まであと3週間を切りました。でも、まだ3週間あります。一年間でいちばん成績が伸びる時期が、この最後の3週間です!そして、最後の一分一秒まであきらめなかった人が合格します。寒さも日々ましていますので、体調管理には十分気をつけながら、本試験まで学習を継続しましょう。

 それでは今回は、9条を読んでいきましょう。9条は、みなさんもよくご存じのとおり、平和主義に関して規定した条文です。

【9条】

1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


9条は、憲法の中でも、一番メジャーといってもいい条文かもしれませね。
ことあるごとに、テレビ番組などでも取り上げられる条文です。自衛隊は武力じゃないのか。自衛隊は合憲といえるのか。自衛戦争は許されるのではないか。などなど、平和であることについて、さまざまな議論がある条文です。
また、憲法改正においても、もっとも議論の中心となりうるところになってきます。


今回は、まず1項について読んでいきましょう。
この条文では、「戦争を永久に放棄すること」を宣言しています。日本国民が平和についてどう考えているのかが書かれています。第二次世界大戦の反省を踏まえて、日本国民の平和でありたいという願いがこめられた条文です。

この、「戦争放棄」という考え方のルーツは、1928年のパリ不戦条約にさかのぼります。第1次世界大戦を経験した国際社会は、その反省から、国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄することを宣言しました。

【パリ不戦条約 第1条】

1条 締約國ハ國際紛爭解決ノ爲戰爭ニ訴フルコトヲ非トシ且其ノ相互關係ニ於テ國家ノ政策ノ手段トシテノ戰爭ヲ抛棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ嚴肅ニ宣言ス


難しい漢字が並んでいますが(笑)、つまり、締約国は、戦争によって国際紛争を解決することはしない。締約国の相互関係で、国家政策の手段としての戦争を、国民の名で放棄する、ということです。 日本をはじめ、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、ベルギー、アイルランド、ポーランド、チェコスロバキア、オーストラリア、ニュージーランド、インド、南アフリカの15か国が署名しました。さらに、その後、ソビエト連邦など63か国が署名した条約です。

当時から、戦争は止めよう。国際紛争は平和に解決していこうというのが、国民みんなの願いだったということが見てとれます。

また、第二次世界大戦後、国際連合ができましたが、国連憲章においても、武力による威嚇や武力行使を慎むとされています。

こと、9条の戦争放棄の考え方は、特異なものでは決してなく、全世界が望んでいることだとも言えるでしょう。

とはいうものの、解釈上、一切の戦争が放棄されているトは考えていません。放棄されている戦争とは、「国際紛争を解決する手段としての戦争」つまり、侵略戦争をさしていると解釈されています。言い換えると、侵略戦争は放棄しているけれども、自衛のための戦争は放棄していないと解釈されています。


 それでは、次回は、9条2項について読んでいきましょう。
以上




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