【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
13条③


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

合格発表を受けて、2月4日にTAC行政書士講座主催で合格祝賀会が都内某ホテルにて行われました。たくさんの合格者が参加くださいました。合格者の皆様のやる気に満ちた、晴れやかな笑顔に出会えて、私もものすごく元気をもらいました。
本当におめでとうございます。合格者の方のますますのご活躍を心より祈念しております。

それでは、前々回に引き続き、13条を読んでいきましょう。


【13条】

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


前回は、公共の福祉についてお話しました。
今回は、13条が保障する人権についてです。13条では、「生命、自由、および幸福追求に対する国民の権利」を保障しています。とはいえ、この「幸福追求に対する国民の権利」というのは、すごく抽象的な表現です。具体的にどのような権利をいうのかはっきりしません。なぜこういう表現にしたんでしょうか?

これには、意味があるんです。

この憲法は、戦後間もない1946年に公布されました。その当時、考えられる私たちの権利は、具体的に憲法に規定して保障しました。


しかし、未来永劫、その当時、考えられる人権だけで事足りるかといえばそうではありません。時代が変わり、社会が変革することによって、私たちが生きていく上で、必要不可欠な人権が生まれている可能性があります。当然、それは、憲法を作った私たち国民も想定できたわけです。

ここでもし、新しい人権が生まれてきたときに、「その人権は、憲法上、保障されていない」といって、国家権力が私たちの人権を奪ってしまうことにはならないだろうか。そうならないようにするにはどうしたらいいだろうか。そんな風に考えて生まれてきたのが、この13条なんです。

ある程度あいまいな表現を使いながら、「新しい人権」を国家が侵害しようとしたときに、私たちは、「それは幸福追求権の一つです」といって、それを憲法上の権利として主張できるようにしておいたわけです。「新しい人権」に該当するかどうかは、公平中立な裁判所に判断してもらうことにはなりますが、そのような観点から、「幸福追求権」という曖昧な表現を使うことで、「新しい人権」が出てきたときに、それを憲法上の権利として、国家権力による侵害から守る役割をしているのです。

それでは、判例上、「新しい人権」として認められた権利にはどのようなモノがあるのでしょうか。

それは、いままで、4つあります。

肖像権
容ぼう等をなんでもかんでも撮影されない権利
名誉権
人がなんでもかんでも名誉を害されない権利
プライバシー権
私生活をなんでもかんでも公開されない権利
自己情報をコントロールする権利
自己決定権
個人が一定の指摘事項について、公権力による干渉を受けずに自ら決定する権利


の4つです。

具体例は次回に譲るとして、これらの人権が憲法上の人権として認められるためには、以下の条件が必要とされています。あ例えば、端的な例を挙げてみましょう。

一般的であること
すべての人に認められる権利であること


つまり、特定の人にしか認められないようなものは、憲法上の権利とは認められないということになります。普遍性をもっていなければならないということになります。
たとえば、嫌煙権は、タバコを吸わない人にとっては大切な権利とはいえますが、タバコを吸う人には認める必要がありません。したがって、嫌煙権は、一般的な権利ではないので、まだ憲法上の人権としては認められないと言うことになります。

具体的であること
内容が明確に定まっていること


つまり、その内容が曖昧で、明確にさだまっていないものについては、権利としては認められないと言うことになります。
たとえば、環境権は、何をもって保障すべき「環境」なのかがはっきりしません。抽象的すぎて、どのようなものを権利として保護すれば良いのかが裁判所にも判断できません。したがって、環境権は、いまだ憲法上の人権としては認められません。

次回は、13条の「幸福追求権」いわゆる「新しい人権」に関する判例をいくつか見ていきましょう。おたのしみに。

以上




【お知らせ】
TAC行政書士講座では、各校舎でガイダンスや講義を行っています。
また開講日は予約不要・無料で実際の講義(基本講義)を受ける事ができます。
ご興味がありましたら、ぜひお気軽にTAC各校舎やカスタマーセンターまでお問い合わせください。

TAC行政書士講座のホームページはこちら