【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
13条④


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

まだまだ寒い日が続きますね。それに加えて、花粉も飛散しはじめました。日々、涙目と鼻水、くしゃみをなんとか耐え忍んでます。みなさんも、体調管理には十分気をつけてくださいね。

それでは、今回は13条に関連する判例を読んでいきましょう。
まずは条文の確認から。

【13条】

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


そして、判例上、「新しい人権」として認められた権利は、以下の4つでした。

肖像権
容ぼう等をなんでもかんでも撮影されない権利
名誉権
人がなんでもかんでも名誉を害されない権利
プライバシー権
私生活をなんでもかんでも公開されない権利
自己情報をコントロールする権利
自己決定権
個人が一定の指摘事項について、公権力による干渉を受けずに自ら決定する権利


まず、肖像権を認めた判例として、「京都府学連事件」があります。最高裁判所大法廷において、昭和44年12月24日に出された判決です。

【事案の概要】
学生がデモ行進に参加中、警察官がデモ隊を差写真撮影しました。これに抗議した学生が、警察官に傷害を加えたため、傷害・公務執行妨害罪で起訴された事件


【判旨】
個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態(以下「容ぼう等」という。)を撮影されない自由を有するものというべきである。
これを肖像権と称するかどうかは別として、少なくとも、
警察官が、正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法一三条の趣旨に反し、許されないものといわなければならない。


このように、正当な理由もないのに、国家権力によって自分の容ぼうや姿態を撮影されることはありません。憲法13条で保障されるとしています。これを一般に「肖像権」と呼ばれる権利です。
なお、正当な理由があれば、撮影が許されることはあります。それはどのような場合かについても、判例は言及しています。
「次のような場合には、撮影される本人の同意がなく、また裁判官の令状がなくても、警察官による個人の容ぼう等の撮影が許容されるものと解すべきである。すなわち、現に犯罪が行なわれもしくは行なわれたのち間がないと認められる場合であつて、しかも証拠保全の必要性および緊急性があり、かつその撮影が一般的に許容される限度をこえない相当な方法をもつて行なわれるときである。」
としています。このように撮影が許されるのは、公共の福祉の観点からの人権の制約といえます。

つぎに、プライバシー権を認めた判例として、「前科照会事件」があります。最高裁判所において、昭和56年4月14日に出された判決です。

【事案の概要】
Xさんは、政令指定都市の区長が弁護士会からの前科照会に応じたことで、前科を公表されました。そこで、Xさんが、区長の行為を過失による公権力の行使であるとして国家賠償を請求した事件


【判旨】
前科及び犯罪経歴(以下「前科等」という。)は人の名誉、信用に直接にかかわる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有するのであつて、市区町村長が、本来選挙資格の調査のために作成保管する犯罪人名簿に記載されている前科等をみだりに漏えいしてはならないことはいうまでもないところである。


プライバシーという言葉を明確には使用していませんが、「前科」はプライバシーに関わる情報として法的保護の対象になるとされました。そのほかにも、「指紋」や「学生の学籍番号、氏名、住所、電話番号」などがプライバシーの対象として、法的保護の対象となるとされています。
以上




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