【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
16条


 こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 自民・安倍政権が、危機的な状況に追い込まれています。
 森友問題、加計問題、日報の問題、、、内閣から省庁への管理体制が問われる問題が噴出しています。内閣は本来、私たちの作った法を執行するため、また、国民のために行政サービスを提供するために、行政機関を統括していく役割があります。その内閣が、内閣や、内閣総理大臣の利益のために、行政機関を利用しているのだとすれば、この内閣はすでに存在意義がありません。私たち国民にとって害悪でもあります。

 国民への説明の場である、国会や委員会での答弁の信憑性は地に堕ち、何を信じてよいのか、何が真実なのか分かりません。
 しかし、国会でも、官房長官の会見でも、煮え切らない回答ばかりで、腑に落ちる説明がありません。これでは、国民の信頼を回復するどころか、どんどん信頼が失われていきます。

 嘘をつくのは言語道断ですが、国民に対して、真実を語れない、語らない、という態度は、私たちのために存在している政権としてあってはならないことです。
 もし何も問題がないというなら、堂々と、証人喚問でもなんでも受けて、証言するべきではないでしょうか。

 まずは、政権が今までやってきたこと、やってこなかったことを、正しく国民に対して説明することを求めたいと思います。

 さて、今回は、16条を読んでいきます。条文から。

【16条】

 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。


 この条文は、請願権について規定しています。
 請願権とは、国または地方公共団体の機関に対して、いろんなことについて、希望を述べる権利です。その内容には、特に制約はありません。どんなことでも、なにについてでも、「こうしてほしい。」「ああしてほしい。」という希望を述べることができます。

 この希望を述べることが「権利」とされる意味ですが、希望を述べることで、何等の不利益な取り扱いを受けることはないということです。もし、希望を述べたことで、何らかの不利益を被るとすれば、それは、何らかのリスクと引き換えに希望を述べるということになり、100%自由に希望を述べられるということではなくなってしまうからです。

 請願の仕方については、請願法という法律が規定しています。
 文書に、必要事項を記入の上で、提出場所も規定されています。

【請願法】

1条 請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。
2条 請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。
3条1項 請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。
  2項 請願の事項を所管する官公署が明らかでない ときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。
4条 請願書が誤つて前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願者に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。
5条 この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。
6条 何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。


 請願を受けた官公署は、これを受理し誠実に処理しなければならないとされています。ただし、それを実現しなければならない義務を負うものではありません。とはいうものの、請願をないがしろにしてもいいというものでは決してありません。しっかりと国民の声に耳を傾けることは必要です。それが必要なものであれば、実際に実現するような仕組みも考えていかなければならないでしょう。

 次回は憲法17条を読んでいきます。お楽しみに。

 以上




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