【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
20条①


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

イラン核合意について、アメリカが離脱を表明しました。イラン核合意は、イランの核開発を制限する代わりに、イラクに対する経済制裁を解除することを内容とする合意です。その合意から離脱し、経済制裁を再開するといいます。アメリカは、イランがテロ支援国家であると断じ、そのイランに対しては、現在の合意のように核開発の制限では足らず、もっと厳しく制限していく必要があると考えているようです。これに対して、イランは反発しています。イランがテロ集団に援助を行っているから、それを根絶しなければならないから経済制裁をするということもききます。しかし、まずは、なぜテロ行為が起こっているのか。そこには、欧米諸国の一方的なものの考え方が存在しているのではないか。そもそもの原因を、もっともっと考えてみなければならないのではないでしょうか。

それから、核の考え方には、すごく違和感を覚えます。他国の核保有を強く否定しながら、核保有国はたくさんの核を持っています。アメリカ・ロシアにいたっては、核を6000~7000発も持っています。それなのに他国が核を持つことを許さないという矛盾。もし核保有・核開発の否定・制限が、世界平和のためのものであれば、核保有国だって核保有自体がいらないのに、一向に核廃絶に向かう気配がありません。核抑止力という言葉も、よく聞きますが、核があることと、戦争が起こらないこととの因果関係はあるのでしょうか。核があれば、戦争は起こらないといえるのでしょうか。核保有国に対しては、戦争はしないということにつながるかもしれませんが、それは核保有国に対してだけもので、実際に、これだけの核があっても、世界のいたるところで戦争は起こっているわけです。核抑止力なんて、核の保有を肯定する理由にはならないのではないでしょうか。

やはり、そこには、世界平和というのは二の次で、だれかがどこかで甘い汁を吸い、さまざまな利権のために、現在の核保有国は核の保有を肯定して、それ以外には核の保有をゆるさないという世界秩序を作ろうとしてるのではないかと思えて仕方がありません。

戦争がなく、核の恐怖もない、平和な世界で生きることです。私たち、市民の一人一人が望むことではないでしょうか。その道を探るためにこそ、政治があってほしいと願っています。


それでは、今回は、20条を読んでいきます。

【20条】

1項 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2項 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3項 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。


この条文は、信教の自由・国の宗教的活動の禁止について規定した条文です。

 まずは1項についてです。
 1項前段では、私たちには、信教の自由が保障されています。信教の自由とは、どのような宗教を信じてもよいということです。このことは、宗教を信じない自由も保障されます。どのような宗教を信じても、そのことについて、国家からとやかく言われることはありません。
 かつての日本でも、信教の自由は保障されていましたが、安寧秩序を妨げない限り、国民の義務に背かない限りで認められるものでした。そのため、さまざまな弾圧が行われました。
これらのことの反省から、日本国憲法では、信教の自由を無条件で認めています。この点で、私たちには、より強度の信教の自由が保障されいてるといえます。

1項後段では、政治と宗教との関わり合いを許さないという政教分離原則が定められています。
政教分離について、戦前においては、神社神道が国教的に扱われて、さまざまな権利を与えられていました。それが、他の宗教への弾圧の一因ともなっています。このように特定の宗教と結びついてしまうことは、特定の宗教の考え方で政治が行われることとなり、信教の自由は奪われてしまくことになりますから、政治と宗教は結び付けてはいけないという政教分離原則になるわけです。
とはいえ、政治と宗教が、完全にかかわりを持たないようにするというのは現実的ではありません。例えば、宗教法人が設立した学校への補助金は、宗教がらみだからといって、その補助金を交付しないとすると、逆に他の学校との差別を生み出すことになります。
このように、かかわる場面、かかわらなければならない場面が存在します。そこで、どこまでかかわってもいいのか、どこまでかかわってはいけないのかが問題となります。

政教分離原則については、津地鎮祭事件(最大判昭52.7.13)が、以下のように述べています。


【事案の概要】
津市が、市の体育館の起工にあたって、神道式の地鎮祭を行い、その費用を公金から支出したことが、政教分離原則に反するのではないかが争われた事件。



【判旨】
国家と宗教との完全な分離を実現することは、実際上不可能に近いものであるから、政教分離原則は、国家が宗教とのかかわりをもつことを全く許さないとするものではなく、行為の目的及び効果にかんがみ、そのかかわり合い相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さない、とするもの


 としています。
次回も、憲法20条を読んでいきます。お楽しみに。




 以上




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