【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
21条②


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

森友問題に加計問題。さまざまな問題が、納得いかない形で置き去りにされていくように思われます。どうにもこうにも、真実がどこにあるのか見えないし、だれが責任を取るべきなのかも分からない。ましてや、報道にも忖度が見え隠れしているものだから、何が真実で、何が嘘なのか、事実関係も複雑で、この問題の変わりづらさにいっそうの拍車をかけている。実は重大問題であるにもかかわらず、重大問題としてとらえ切れてない。
それをいいことに、適当なことを言って、保身をはかる政治家。

私たちが望んでいるのは、ごく一部の利益のために動いたり、自分の保身のために信念を欠いているような政治ではありません。国民全体のことを第一に考えて、私たちに嘘をつく必要がない、あるいは嘘をついていると疑われるようなことのない、人にやさしくて精廉な政治です。
また、真実を真実として語る報道です。これがなければ、私たちが政治判断をしようにも判断する要素がないわけですから、立憲民主主義の実現も不可能となってしまい、政治を暴走させてしまうことになります。

私たちが心から信頼できる政治をしてほしいとつとに思います。

それでは、今回は21条1項の集会の自由について見ていきましょう。

【21条】

1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。


まずは、条文に具体的に現れているように、集会・結社の自由が保障されています。いずれも共同の目的のために集団を形成して活動することですが、集会は、一時的なもの、結社は継続的なものをいいます。

集会は、国民が様々な意見に接し、自己の考え方や、人格を形成して、発展させていく役割を担います。集会に集まった人たちが、情報交換をする場として、また、自己の意見を発表する場としても、重要な場です。ですから、集会の自由は、民主主義社会における重要な人権の一つに数えられています。

ただし、集会の自由は、たとえば、公園で集会したり、行動をデモ行進したりするように、行動を伴いますので、集会に参加していない他人との権利・利益と矛盾衝突することが出てしまいます。たとえば公園での集会であれば、公園を公園として使いたい人を事実として閉め出してしまうことにもなりかねません。また、デモ行進であれば、渋滞を巻き起こしてしまったりすることもあるでしょう。このような矛盾衝突が起こりうることになります。
そこで、集会や結社の自由については、集会や結社をするのは原則として自由だけれども、たとえば、公園であれば、他の人も使えるように、場所をある程度限定するとか、デモであれば、道路の歩道側一車線でデモ行進してもらうとか、ケースに応じて、必要不可欠な最低限度の制約を受けることになります。

デモ(集団示威運動)について扱った判例を一つ紹介しましょう。
新潟県公安条例事件(最大判昭29.11.24)です。

【事案の概要】
本来自由である集会が、公安条例によってデモ行進を許可がなければすることができないという許可制にしたことが憲法21条に違反するのではないかが争われた事件。


【判旨】
公安条例においてこれらの行動につき単なる届出制を定めることは格別、そうでなく一般的な許可制を定めてこれを事前に抑制することは、憲法の趣旨に反し許されない…。しかし…公共の秩序を保持し、又は公共の福祉が著しく侵されることを防止するため、特定の場所又は方法につき、合理的かつ明確な基準の下に、予じめ許可を受けさせることは違憲ではない


このように、「一般的な許可制(なんでもかんでも原則として集会をNGとして、許可されたときだけできる)」というのは許されないけれども、「公共の福祉が維持著しく侵されることを防止する(みんなに迷惑がかかってしまわないようにする)」ため、特定の場所、方法について、合理的かつ明確な基準の下に、事前に許可を受けさせることは違憲ではないとしています。
次回も、21条の「表現の自由」に関して、「知る権利」や「報道の自由と取材の自由」に関する判例などを見ていきましょう。

お楽しみに。
以上




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