【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
24条


 こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 昨日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が、北朝鮮・平壌で2日間にわたり首脳会談を行いました。そして、「平壌共同宣言」に署名しました。
 平壌共同宣言には、アメリカが相応の措置をとれば、北朝鮮の核施設を永久に廃棄するという措置をとる用意があることが明記されているようです。また北朝鮮は、東倉里のエンジン実験場、ミサイル発射台を関係国の専門家を参観させて永久廃棄することも盛り込まれたようです。
その後、金正恩氏が「朝鮮半島を核の脅威がない平和の地にするため積極的に努力すると確約した」と述べたとされます。

 この勧告・北朝鮮の首脳会談については、どうせ口だけだろう、とか、実現なんてしないよ、なんていう人もいます。しかし、核保有国が、核を捨てるということを世界に向けて宣言をすることは評価に値すべきことですし、また、現実に、話し合いの場を設けて話し合いをすること自体が一つの進歩といえるでしょう。

 実際に話し合うこともせず、見えない敵に恐れをなして、核に対する警報をただただ鳴らし続け、国民を不安に陥れていることの方が、よっぽど外交努力のない政治だと思います。私たちの日常生活でもそうです。実際に会って話をしてみて、お互いのわだかまりが解消することなんて多々あります。話してみなければ分からない。やってみなければわからない!まずは、やってみよう。何もしなけりゃ、不安はただ増すばかり。さらに、その不安を利用するようなことは決してあってはいけないと思います。

 とはいえ、「納得いくまで、とことん話し合う」という体質が、現在の政権にあればいいのですが、すぐに数の論理を持ち出して、事を決しようとする現政権に、そもそも、そのようなことを要求することのほうが無理な注文かもしれません。

 しかし、少なくとも、「世界の国民は平和を愛しているのだから、その相手を信じよう。」というのが、憲法の出発点です。

その原理原則に立ち戻って、どのような相手だろうが、積極的に話し合いをしていくことでのみ、事は解決するのだ、数は力の論理では、究極的な物事の解決にはならないのだ、ということを強く心に刻み、そして、個々の国民が安心して幸せに暮らせるような政治を行ってほしいと強く感じました。

今回は、家族生活における個人の尊厳と両性の平等に関する24条を読んでいきましょう。
まずは、条文です。

【24条】

1項 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2項 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。


 この条文では、婚姻は、「両性の合意」に基づいて成立することが述べられています。また、夫婦は同等に権利を持ち、相互が協力することで維持されなければならないとしています。

 近年「両性の合意のみ」とされていることについて、同性愛者の権利に関連して、問題となることがあります。「両性」に、「同性」が含まれるのか、含まれず「男女」のみのことを指すのか、という問題です。

 どういう夫婦生活を営むかという問題は、その人の生き方に深くかかわる問題です。私は、自己決定権の一内容として、だれと結婚するかは自由でなければならないと考えています。それが、同姓であったとしても、愛し合って、お互いに一緒に生きていこうと考えているのであれば、婚姻を認めていいのではないかと思っています。

 これについては、先ごろ、ある国会議員が、「同性愛者は生産性がない」というようなことを言って物議を醸しましたが、婚姻というのは、子供を産むことだけがその目的ではありません。愛し合う二人が、共同生活を行うことで、お互いの幸せを実現することに、その目的はあると思っています。その二人の気持ちを尊重し、その幸せを守るように政策を考えていくことこそ、個人の尊厳を守る政治になると考えています。

 このことは、2項にも現れています。
 配偶者の選択に関して、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない、とされています。そうであれば、個人が誰を配偶者とするかについて、男性だから、女性だからということではなく、一人の人間として、自由意思に基づいて、お互いがお互いを選ぶことができる社会であるべきだと思います。

次回は、社会権について規定した25条を読んでいきます。

 お楽しみに。

 以上




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