【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
30条


 こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 12月12日、毎年恒例になってる今年の漢字が清水寺で発表されました。今年の漢字は、日本漢字能力検定協会が主催していて、今回で24回目を迎えるそうです。

そして、今年の漢字は

になりました。
 確かに、今年は災害が多かったです。
 7月には西日本豪雨がありました。
 被害状況は、死者227人、住家の全壊6,296棟、半壊1万508棟、一部破損4,379棟、床上浸水8,937棟、床下浸水2万545棟などでした。
 (2018年9月6日12時現在の朝日新聞による被害状況の集計による)
 9月4日には台風21号が日本に上陸しました。
 死者13人、負傷者912人、住家の全壊9棟、半壊46棟、一部破損2万1920棟、床上浸水28棟、床下浸水191棟などでした。
 (2018年9月14日18時00分現在の総務省消防庁による被害状況の集計)
 9月6日には北海道胆振東部地震がありました。
 被害状況は、多くの場所で土砂崩れが起きそれによる被害が甚大でした。死者41人、負傷者749人、住家の全壊415棟、半壊1346棟、一部破損8607棟などでした。
 (2018年11月6日10時00分現在の消防庁集計によるの被害状況)

 9月30日には台風24号が日本上陸。
 被害状況は、死者4人、負傷者213人、全壊39棟、半壊197棟、一部損壊4,396棟、床上浸水231棟、床下浸水881棟などでした。
 (2018年10月12日16時現在の消防庁応急対策室の集計による)この台風ではJR東日本が台風が来る前に列車の運行を終了させる計画運休を初めて行った。

 このように、今年は、大規模災害が数多く起こり、多数の被害が出ました。

 地震は、いきなり来ますから、完全に防災するのはなかなか難しい。台風のように到来自体があらかじめ予測できる災害については、あらかじめ手を打っておくことがある程度可能な場合もあります。その意味では、JR東日本の計画運休については、ほんとうによかったと思います。
 お金よりも、まず命が第一。ほかにも、できるかぎりのことをして、災害に備えておかなければならないと思った災害年でした。
 来年は、自然災害が少しでも少なくなることを祈るばかりです。そして、あらかじめ防げた被害が出ないことも祈るばかりです。
 災害でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。



 それでは、今回は、納税の義務に関する30条を読んでいきましょう。まずは条文確認から。

【30条】

国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。


 日本国民は、納税の義務を負います。
 義務とはいえ、必要以上の納税の招集がされないように、納税については法律で定めなければならないとされています。私達自信で私たちの税金をどのように収めるのか、その義務を決めていくことになります。具体的な内容については、改めて84条で述べます。

 教育の義務(26条2項)には、教育を受ける権利が規定されています(26条1項)。また、勤労の義務を定めた27条1項には、同時に勤労の権利が規定されています。
 ところが、この納税の義務については、義務規定のみしかなく、納税の権利の規定がありません。
 歴史的に見ても、世界的に見ても、納税の義務であることを根拠に、国家権力が国民に重たい税金を課し、国民のために使うのではなく、国家権力者に都合のいいように、一部の者の利益のためだけに、その税金を湯水のように使ってしまうということが行われてきました。
 そこで、国家権力の勝手な行動を制限して、納税者の権利を守るために、納税者の権利を保障しようとする考え方が出てきています。よからぬ使い方をしていた場合には、私達自身が納税者として、国家権力に対して「このような税金の使い方をするんじゃない!」ということが言えることを憲法上の権利として保障するということにつながっていきます。
 事実、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツには、「納税者権利憲章」という法律があり、納税者の権利を保護しています。

 日本においても、実現はしていませんが、そのような納税者の権利を保護する法律を作るべきだという議論が行われたこともあります。

 現在の税金の使い方を見ていると、本当にこれが私たちのための税金の使い方なのだろうかと思うことがよくあります。私たちの税金は、私たちのもの。そのような考え方がもっと広がっていけば、私たち国民一人一人が納得できるような税金の使われ方がなされていくのではないでしょうか。

 次回は、引き続き、法定手続きの保障をさだめた31条を読んでいきます。
 お楽しみに。

 以上




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