【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-34条


 みなさんこんにちは。
 TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 今回は、抑留・拘禁に対する保障を定める34条を読んでいきましょう。まずは条文確認から。

【34条】

何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。


 この条文では、私たちが身柄の拘束を受ける場合、「なぜ抑留・拘禁されなければならなのか?」という理由が示されなければならないとされています。

 また、弁護人を依頼する権利が与えられます。捜査機関は巨大な組織です。そこにただ一人拘束される者が、心細さや不安を感じることは、想像に難くありません。また、抑留・拘禁されている間に行われる捜査で得られた供述はその後の裁判でも重要な証拠となります。ところが、捜査機関からのプレッシャーに耐えられず、本意でないことを供述させられてしまうかもしれません。しかし、一旦供述してしまうと、その供述を法廷で覆すことは容易ではありません。
 そこで、私達国民に、そのような不都合・不利益が生じないよう、抑留・拘禁されている者をサポートする者として、直ちに弁護人をつけることができるとされています。これを弁護人依頼権といいます。

 弁護人依頼権が保障されているとはいうものの、弁護人を依頼する場合には費用がかかります。その費用を捻出できない場合には、弁護人依頼権はあっても、実際に弁護人を依頼することができないということにもなります。この点について、訴訟が始まった場合には、私費で弁護人を依頼できない人であっても、国が弁護人をつけてくれます。国選弁護です。しかし、捜査段階では、このような制度はありません。

 このような問題を解消するために、1990年から、日本弁護士連合会が主体となって、当番弁護士制度を開始しました。これは、初回については無料で弁護士が面会してくれる制度です。
 さらに2006年からは、訴訟の前段階において、抑留・拘禁されている者に対して、弁護人を付する制度が、日本司法支援センター、いわゆる「法テラス」によって開始されています。


 さらに、本条の後段では、抑留・拘禁に理由があっても、その理由は正当なものでなくてならなないということが規定されています。
 また、理由が示されていない場合には、要求すれば、すぐに、本人や弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならないとされています。
 どのような理由であっても、理由を示せばよいというものではありません。また、理由を示さない場合には、本人、弁護人、裁判所の前でその理由を示さなければならないとしておくことで、不当な理由で逮捕されることが起こらないようにしていることになります。

次回は、35条について読んでいきます。お楽しみに。

 以上




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