【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
38条③


 みなさんこんにちは。
 TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 3.21。イチロー選手が引退を表明しました。
 名だたるメジャーリーガーにくらべると華奢な感じがするイチロー選手ですが、そのしなやかさ、芯の強さ、野球センスが、私のような素人が見ていても、一目瞭然に分かる野球史上に名を遺す名選手、大選手でした。年齢を重ねても、妥協せず、現役にこだわり、練習に励むイチロー選手の姿を見ていると、「俺もがんばらなければ!」という気持ちを沸かせてくれるような、そんな大好きな選手でした。
 プロ野球の現役選手としてはここでピリオドです。このあと、どうされるのかは興味のあるところですが、現役ではなくても、何らかの形で、野球に携わる野球人としてのイチロー選手を見ていたい気持ちでいっぱいです。
 イチロー選手、お疲れ様でした。


 それでは、今回も、刑事被告人の権利について定めた38条を読んでいきます。
 今回は「補強法則」に関して規定している38条3項です。


【38条】

第3項 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。


 裁判において、「自白」しか証拠がない場合、つまり、被告人が、「私がやりました。」と言っているけれども、それ以外に、その人が犯罪をおかしたということを裏付ける証拠、補強する証拠が何もないという場合には、その人を有罪とすることはできませんし、また、刑罰を科すこともできません。

 もし、被告人の言っていることが真実であるとしてもです。

 このようなシステムを「補強法則」といいます。

 なぜ、このようなシステムを採用するのか。それは、被告人が自分の罪と認めていただけで有罪にすることの弊害がすごく大きいからです。


 「自白」には、とかく、恣意的な要素が入ることがあります。たとえば、誰かをかばうために自白をする場合もあるかもしれません。また、無理矢理自白させられたのかもしれません。そのような自白偏重の捜査には非常に高い危険性が潜むわけです。唯一の証拠が、被告人の自白のみという場合には、もしそれが本当であったとしても、有罪にしたり、刑罰を科したりすることはできないとというシステムを採用することによって、自白偏重の捜査から脱却し、無罪の人間が有罪とされないようにしているわけです。

 このようにすることで、捜査側も、「自白」を取るだけではだめで、他の証拠を探さなければならないことになります。自白を取るために、人権侵害が行われることもなくなることになります。

 とにかく、人ひとりを有罪にし、刑罰を科するためには、これでもかというぐらい慎重にしなければなりません。私たちは本来、国家に拘束されない自由な存在であるわけですから、もし、刑罰を科するにしても、そこに間違いがあっては決していけない。決して冤罪があってはいけないのです。ですから、証拠を集められるだけ集めることで、真実をとことん追求し、間違えが起こらないようにします。そうすることが、私たちの人権を守ることにつながっていくことになります。

 次回は、39条について読んでいきます。お楽しみに。

 以上




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