【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
39条


みなさんこんにちは。
TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

4月1日。新元号が発表されました。

新元号は「令和(れいわ)」です。
出典は万葉集。
その梅の花の歌32首の序文。

初春の月にして
気淑く風
梅は鏡前の粉を披き
蘭は珮後の香を薫らす



万葉集といえば、日本最古の和歌集です。
編者は大伴家持という説が有力です。

私は富山県出身ですが、大伴家持は、5年間、越中の国司として、富山に赴任していたこともあり、富山県では特に有名人です。
富山の美しさを読んだ有名な句で、こういう句があります。

立山に
 降り置ける雪を
  常夏に
見れども飽かず
  神からならし


現代語訳としては、

立山に
降り積もってる雪を
夏に
観ていても飽きない
神の山だからかなぁ


立山は、富山県の象徴といってもいいぐらいの山です。
小さい頃は、毎日眺めていましたから、あまりに日常すぎる風景でした。しかし、東京に来てからというもの、たまに富山に帰って、立山の雄大さに触れるたびに、気持ちがほっとするというか、心が和みます。

立山連峰の絶景スポットは、雨晴海岸(あまばらしかいがん)から、日本海越しに眺める立山連峰です。日本海の上に3000メートル級の山々が浮いて見える立山は絶景です。もし機会があったら、ぜひ行ってみてください。


それでは、今回は、遡及処罰の禁止、一事不再理、二重処罰の禁止について定めた39条を読んでいきます。

【39条】

何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。


まず、前段ですが、ここでは、遡及処罰の禁止と一事不再理について定めています。
遡及処罰の禁止というのは、実行した時に適法であったのに、その後、法律ができ、その法律に照らすと、その行為が有罪に該当することになったとしても、その法律ができる前にさかのぼって適用することはしないということです。これができるとすると、あとから法律を作って、国家権力に都合の悪い人をどれだけでも処罰できることになってしまうからです。また、私たちは、いま、適法であっても、あとから違法とされて処罰されるかもしれないと思うと、萎縮してしまい、自由な行動ができなくなってしまうからです。
さらに、一事不再理とは、一度無罪とされた行為を、あとから有罪とされることはないということです。これができるとすると、いったん無罪とされたのに、またあとから、起訴されて有罪とされるかもしれないということにおびえて過ごさなければならなりません。また、いったん無罪判決がでても、捜査機関として納得できなければ、もう一度起訴するために、捜査を継続することになるでしょう。そうすると、無罪判決がでているのに、私たちは捜査の対象となって、ずっと捜査をされ続けることになってしまい、やはり自由が奪われてしまうからです。このような一事不再理を採用することで、捜査機関は一度の裁判に全力を尽くさなければならず、より多くの証拠の下で裁判することになります。そして無罪判決が出た後は、私たちは捜査に拘束されることなく自由になれるということです。

次に、後段ですが、ここでは、二重処罰の禁止について規定しています。
二重処罰の禁止とは、いったん処罰されたのであれば、同じ事件について再度処罰されるということはないということです。
もし、これができるとすると、いったん処罰された犯罪について、そのあとも、捜査の対象とされ続けることになりかねませんし、一度処罰されたのにも関わらず、また、処罰されるかもしれないと萎縮してしまい、自由な生活が送れなくなってしあうことになりかねないからです。

これらのことを禁止することで、私たちは、一つの犯罪容疑、犯罪事実に、際限なく付き合わされることはなくなることになり、私たちの自由が保障されていくことになります。

次回は、いよいよ人権分野最後の規定、40条について読んでいきます。お楽しみに。

 以上




【お知らせ】
TAC行政書士講座では、各校舎でガイダンスや講義を行っています。
また開講日は予約不要・無料で実際の講義(基本講義)を受ける事ができます。
ご興味がありましたら、ぜひお気軽にTAC各校舎やカスタマーセンターまでお問い合わせください。

TAC行政書士講座のホームページはこちら