【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
統治機構総論


 みなさんこんにちは。
 TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 「平成」が終わりを告げ、今日から「令和」が始まりました。
 平成の30年。私が一番、平成時代で素晴らしいと思っているのは、この時代に、一度も戦争を行わなかったことです。
 基本的人権の尊重、国民主権を唱えてみても、その土台となる社会が平和でなければ、それは絵に描いた餅になります。私たちの幸せは、社会が平和であることで達成されるということ。決して戦争しないこと。それが本当に大切だと私は思っています。

 平成と令和がつながれば、平和が達され、それが世界の当たり前の(ルール)になる。そんな願いでいっぱいです。

成令

そしてこの先も、憲法前文にあるように、日本が、世界平和の実現に向けた旗振り役になっていくことを、心より願っています。
ここで再度、憲法前文の一部を引用します。

【前文】

日本国民は、~政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


素晴らしき令和時代が築かれていきますように。


それでは、今回から、第4章から始まる統治機構について読んでいきます。
まずは、統治機構の総論的な話をしたいと思います。

統治機構とは何か。それは、日本という国を、どのような国家体制で運営していくか、その仕組みのことです。

私たちがこの社会で幸せに生きていくことは、私たちの自由が守られなければ実現できません。そこで憲法は、私たちには、さまざまな自由があることを規定しています。今まで観てきた、思想良心の自由、信教の自由、表現の自由、職業選択の自由、学問の自由、財産権、人身の自由などです。これらの自由が守られることで、私たちの幸せが確保される。これが憲法の3本柱の一つ「基本的人権の尊重」です。

しかし、憲法は文書ですから、時の権力者が「そんなの守らない!」と暴走し始めたら、その暴走を実際に抑えることができなくなってしまいます。そこで、憲法はさらに、権力が暴走できないような国家システムを構築しました。

その国家システムが、権力を三つに割るという三権分立。権力が一点に集中して暴走してしまうことを防ぐため、権力を分割して、それぞれの権力がそれぞれの権力を牽制しあい、監視させあうことで、権力の暴走を防ごうという国家システムです。

国家権力が守らなければならない「基本的人権の尊重」と、国家が暴走しないための国家システム「三権分立」。この二つが、私たちの幸せにとって欠かすことのできないものであるという考え方を立憲主義といいます。

そして、この立憲主義の考え方を取り込んだ憲法を、立憲主義憲法といい、日本国憲法も、この立憲主義の考え方に基づいて制定されています。


国家権力が三権に分割されるのですが、その三権とは、


立法権をつかさどる「国会
行政権をつかさどる「内閣
司法権をつかさどる「裁判所


です。その権力を担うのが、国会は国会議員、内閣は国務大臣、裁判所は裁判官となります。

これらの権力の担い手である公務員は、立憲主義的な日本国憲法を守るべき義務があります。これが、「憲法尊重擁護義務」と言われるものです。

この義務については、憲法が明文で規定しています。
【99条】

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


99条にあるように、国家権力を担う者は、この憲法を尊重し、守っていかなければなりません。

公務員がこの憲法を守り、憲法が定めた国家システムの下で、権力を行使していくことで、権力が暴走することなく、私たちの幸せが達成されていく国家が達成されるわけです。

それでは、次回からは、三権の一つ「国会」についての条文を読んでいきましょう。憲法が、国会をどのような国家権力として規定しているのか。国会の仕組みやルールはどのように規定されているのか。お楽しみに。


 以上




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