【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
41条


 みなさんこんにちは。
 TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 大型連休も終わりましたが、学習は順調に進められたでしょうか。

先日、9900万年前のアンモナイトが閉じ込められた琥珀が見つかったという記事を見つけました。琥珀は、木の樹脂が化石となったものです。樹木は陸上のものですので、樹脂に昆虫が閉じ込められ、それが琥珀となっているものは見かけたりしますが、海のものであるアンモナイトが、樹脂に閉じ込められるというのはかなりレアケースだそうです。

9900万年前。私たちの四大文明が始まったのが、今からせいぜい6000年前。1万年にも達しません。その15000倍以上もの、はるか昔の世界が閉じ込められて、いま現代によみがえる。SFが大好きな私には、そんなことだけでも、ロマンを感じてしまいますし、なんだかぞくぞくします。いまとなっては、化石や地質調査などでしか知ることのできない世界ですが、タイムマシンができたら、ぜひ行ってみたい世界です。想像を絶する生物があふれていて、怖くて、逃げ帰ってくるかもしれませんが(笑)

それでは、国会に関する41条を読んでいきましょう。まずは条文から。


【41条】

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。


 この条文の意味するところですが、国会は、国の権力をつかさどる機関の中でも、「最高」つまり、トップに位置する機関であるとされています。そして、その役割として与えられたのが、立法、つまり、ルール作りをすることです。ルール作りをするのは国会が「唯一」とされています。
 なぜなら、国家権力は、野放しにしておくと、暴走してしまい、私たち国民の権利自由を奪ってしまうというのが歴史が示す事実です。その国家権力が暴走しないように、何らかの形で縛っておく必要があります。その役割を持たせるのが法律ということになります。ただその法律というルール作りを、国家権力が自由に作れるとすると、いくら国家権力を法律で縛るといっても、それは実際は絵に描いた餅になってしまい、国家権力の暴走を止めることができません。ではどうしたらいいか。その法律というルール作りを、国民である私たち自身が行うことが、国家権力の暴走を防ぐことになります。その原理を実現するため、国民の代表者で構成される国会だけがルール作りをすることができるようにしておくわけです。

 とはいうものの、三権分立の仕組みからすれば、国会、内閣、裁判所は同格で、「最高の」というのは以下のように解釈されています。


政治的美称説
国権の最高機関」の意味について

三権分立の観点からすれば
国会」「内閣」「裁判所
は同格で優劣はなく、ただ、私たち主権者である国民から直接選ばれるという国民との近接性から、国会が国政の中心的地位を占めるということを強調するために、最高機関と呼んでいるだけ、という考え方です。


 つぎに、「唯一」の意味についてみてみましょう。
 これには二つの意味があるとされています。
① 国会による立法以外は、原則、許されない、という、立法権限は国会が独占するという意味です。ただし、例外として、両議院や最高裁判所の規則制定権のように、国会以外の機関によるルール作りが認められている場合があります。
② 国会による立法は、原則、国会以外の機関の参与を必要としない、という、立法手続は国会が独占するという意味です。ただし、例外として、特定の地域にのみ適用される地方自治特別法を制定する場合には、その住民の投票で過半数を得られないといけないという、国会以外の機関の関与が必要とされている場合があります。

①は国会中心立法の原則、②は国会単独立法の原則とよばれます。

「唯一」の立法機関
①「
国会中心立法の原則
⇒ 立法権限の独占

①「
国会単独立法の原則
⇒ 立法手続の独占

 立法権限の独占については、本来的には、国会のみが立法することができなければならないのですが、現実は、議員が法案を提出して制定する議員立法の数は少なく、内閣が提出した法案が制定される方が数としては多数となっています。その意味では、国会が内閣に追従してしまっているという構図があります。このことは、上記で述べた、法律によって国家権力を縛るという役割を持たせる点で、問題点として指摘されています。
 この点については、アメリカでは、議員立法の数か圧倒的に多いこととは、かなりの違いがあります。

 もっともっと、国会の役割の重要性を考えて、積極的・活発的に議員が立法活動を行えるような土壌を整えていくことも必要ではないかと思います

次回は、両院制に関する42条を読んでいきます。お楽しみに。

 以上




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