【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
42条


 みなさんこんにちは。
 TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

運動会の季節です。運動会っていうと、私の学生時代は、秋にやるのが一般的でした。ただ、いまは春に運動会をやるところも多いみたいですね。実際に、うちの子どもたちが通う、高校や中学では春に運動会を実施しています。

運動会になると、よく話題に上がるのは、組体操の危険性の問題です。特にピラミッドなどは、組体操の花形とされていますが、ピラミッドが崩壊し、生徒が大けが、なかには死亡事故につながる場合もあります。そのように、その危険性はすでに認識されているということです。
このような危険な組体操をするかどうか、賛否両論の意見があると思います。しかし、私は、子供たちを学校に通わせている立場として、危険だと分かっていることをさせて欲しくないというのが、正直なところです。
よく、協調性を養うからとかいいますが、ピラミッド組体操でなくても、さまざまな形で協調性をやしなうことができます。運動会で盛り上がるからともいいますが、運動会はそもそも見世物ではないわけですから、子供たちの生命・身体に対する危険を冒してまで、運動会を盛り上げようとするのは、それは運動会のそもそもの趣旨から逸脱していると思います。
もし、自己が起こってしまった場合、けがをした本人が傷つくのはもちろんのこと、故意ではないにしろ、けがをさせてしまった友達も、その心の傷は一生残ると思うんです。

それから、騎馬戦や、棒倒しなども、やってる本人は、ほんとうに盛り上がるし、楽しいのは分かるんです。自分もやってきましたから。ただ、「ただいま」って帰ってくるまで、正直、気が重いし、心配なんです。

運動会を楽しく運営していくためには、いろんな検討要素はあるとはいえ、まずは、子供たちの安全を第一に考えてほしいと思います。また、それが命にかかわるような可能性がある場合には、思い切って中止することも、子供たちを預かる学校として大切なことだと思っています。


それでは、国会に関する42条を読んでいきましょう。まずは条文から。


【42条】

国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。


日本の国会は、衆議院と参議院からなる二院制です。
戦前の日本の帝国議会も二院制でした。公選の衆議院と、非公選の貴族院の二院制でした。しかし、戦後、貴族制度のような身分制度が廃止されました。それに伴い、貴族院も廃止されました。
戦後の政治体制を考えるにあたっては、GHQは、日本に対して一院制を求めました。しかし、帝国議会はこれを容れず、いずれも公選となる二院制を取り入れました。二院制の趣旨としては、慎重な審議を行うことができるということや、極端な政権交代を防いでゆるやかさを持たせること、などがあげられます。


ここで、「国会」と呼ぶ場合と、「衆議院」「参議院」と呼ぶ場合の違いですが、「衆議院」のみ、「参議院」のみでは、「国会」とは呼びません。
「国会」は、立法権を担う国の立法機関ですが、「衆議院」「参議院」は国会のメンバーという位置づけです。

もう少し、分かりやすく、小学校のクラスで例えてみましょう。

例えば、A小学校で開催される6年生による合唱コンクールが迫ってきました。課題曲は「空駆ける天馬」ですが、自由曲は各クラスで決めなければなりません。6年1組ではA君が「大地讃頌」、B君が「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」がいいと、それぞれ主張しています。徹底的に話し合って、結論を出すのがよいわけですが、それでも平行線をたどる場合には、学級代表が最終的に決定するとされていたため、学級代表のA君の「大地讃頌」が6年1組の自由曲となりました。

6年1組
A君
 「大地讃頌
B君
 「手紙~拝啓十五の君へ~

    ↓

6年1組の意思として
大地讃頌」に決定


これと同じように、例えば、国会は、衆議院議員選挙が行われたあと、内閣総理大臣を選ばなければならないのわけですが、衆議院君だけで決めるのではなく、参議院君だけで決めるわけでもなく、両院の意思が合致した時に、国会としての指名になります。
しかし、二人の意思が一致しない場合には、例えば、衆議院君の意思を国会の意思として扱ったりします。

国会
衆議院君
Xを内閣総理大臣に指名
参議院君
Yを内閣総理大臣に指名

     ↓

 国会の意思として
Xを内閣総理大臣に指名


国会(6年1組)の中に、二人のメンバー衆議院と参議院(A君とB君)がいて、その二人のメンバーで、国会(6年1組)としての意思を決定していくことになります。「A君」や「B君」をそれぞれ「6年1組」と呼ばないのと同じように、「衆議院」や「参議院」をそれぞれ「国会」とは呼ばないといことになります。

それから、二院制については、さまざまな問題が指摘されています。大きな問題点としては、参議院の存在意義です。参議院はよく、「良識の府」とか、「再考の府」とかいわれますが、衆参両院において多数派を占める政党が同じであれば、衆議院と参議院で議決が異なることがなく、参議院が必要なのかということが言われたりします。もちろん、選挙の方式も異なりますから、一概に存在意義がない、というのは極論ですが、国会運営もすべて税金が使われるわけですから、無駄が生じないような適切な国会運営は何か?ということは、常に考えていかなければならない問題だと思います。

次回は、両院制に関する43条を読んでいきます。お楽しみに。

 以上




【お知らせ】
TAC行政書士講座では、各校舎でガイダンスや講義を行っています。
また開講日は予約不要・無料で実際の講義(基本講義)を受ける事ができます。
ご興味がありましたら、ぜひお気軽にTAC各校舎やカスタマーセンターまでお問い合わせください。

TAC行政書士講座のホームページはこちら