【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
43条


 みなさんこんにちは。
 TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

 大阪は、6月28日、29日にG20大阪サミット(金融世界経済に関する首脳会合)が開催されます。
 G20会議とは、リーマン・ショックを契機に発生した経済・金融危機に対処するため、2008年11月、従来のG20財務大臣・中央銀行総裁会議を首脳級の会議に格上げしました。第1回サミットは、アメリカのワシントンDCで開催されています。今回のサミットで14回目を迎えます。 主要議題は基本的に経済分野です。近年では、世界経済、貿易・投資、開発、気候・エネルギー、雇用、デジタル、テロ対策、移民・難民問題など、幅広く問われています。

 G20のメンバー国は、G7(日本、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、欧州連合(EU))に加えて、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコの首脳が参加しています。
メンバー国以外にも、招待国や国際機関などが参加しています。具体的には、オランダ、シンガポール、スペイン、ベトナム、ASEAN議長国(タイ)、AU議長国(エジプト)、チリ(APEC議長国)、セネガル(NEPAD議長国)、国連(UN)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)、国際労働機関(ILO)、金融安定理事会(FSB)、経済協力開発機構(OECD)、アジア開発銀行(ADB)、世界保健機関(WHO)です。

 G20については、外務省ホームページにその概要が掲載されていますのでご覧ください。
 (外務省HP:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/g20/index.html)

 G20大阪サミットでは、主要各国の首脳が一堂に会しますから、各国の首脳が、さまざまな思惑をもって、首脳会談も数多く開催されることが予定されています。

 中でも、注目度が高いのが、トランプアメリカ大統領と、習近平国家主席の米中首脳会談です。この両国間においては、貿易摩擦問題、安全保障問題、台湾、香港、ウイグルなどの人権問題なども議題に上がるでしょう。何事も、平和な解決を望みます。
 また、日米首脳会談も注目です。貿易摩擦や、北朝鮮問題、安保問題と、さまざまな問題が山積みです。それらの問題について、ひとつひとつ丁寧に話し合うことが大切だと思っています。

 なにかといえば、戦争とか、兵器増強という言葉がちらつき、暗い影を落としているように感じる昨今ですが、人の命を最優先に、平和な解決方法を探る実りある会議にしてほしいと願うばかりです。

 それでは、国会に関する43条を読んでいきましょう。まずは条文から。


【43条】

第1項 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
第2項 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。


 国会は、全国民を代表する選挙された議員で組織されます。つまり、国会のメンバーを決めるのは私たちの投票になります。
 ここで、国会議員は「全国民の代表」です。したがって、選挙区から選出されたとしても、それは選出方法が、選挙区割りによって行っているというだけで、決して、選挙区の代表ではありません。東京10区で当選しようが、富山1区で当選しようが、全国民の代表ということになります。決して、地域代表ではありません
 したがって、国会議員として当選した以上、支持母体や、選挙された地域の要望に縛られることはありません。「全国民の代表」として、どのような政治を行うべきかを純粋に考えて、政治行動をしなければならないことにいなります。
 例えば、選出してくれた地域のことを考えれば、不利益になるようなことであっても、国全体のことからすれば、プラスになることであれば、涙をのんで、その政策を推進していかなければなりません。それが、全国民の代表として選出された国会議員の役割ということになります。

 このことを、示す有名な言葉があります。
 18世紀後半のイギリスにおいて、エドモンド・バークという政治家がした自分の選挙区の有権者に向けて行った演説の一節です。
 「あなたがたは確かに代表を選出するが、みなさんが彼を選んだ瞬間から、彼はブリストルの議員ではなく、イギリス議会の成員となる。

 つまり、私が国会議員にえらばれた瞬間から、もうここの地域の代表ではなくて、イギリス全体のことを考えて行動する政治家になります、あなたがたの要望に縛られることなく、国会議員として自由に行動します、という宣言です。この精神が、日本国憲法の中にも脈々と生き続けているということです。

 これは、私たち自身も十分に理解しておかなければならないことです。 「私たちがあなたを選んだんだから、私たちに有利なこと、利益になることをやってよね!」というような要求をすることはお門違いということです。それを分かったうえで、政治家を評価していくことが、私たちが政治意識を高めていくことにつながると考えています。

 そして、国会議員の定員についてさだめた第2項です。
 国会議員の定数ですが、公職選挙法4条に定められています。


【公職選挙法4条】

1 衆議院議員の定数は、465人とし、そのうち、289人を小選挙区選出議員、176人を比例代表選出議員とする。
2 参議院議員の定数は248人とし、そのうち、100人を比例代表選出議員、148人を選挙区選出議員とする。


 ただし、参議院議員の現在の定数は、法改正からまだ選挙が行われていませんので、法改正前の242名です。
 参議院議員はご存じのとおり、3年ごとに半数改選されますから、2019年の参議院議員選挙で121名が、3名増員され124名、合計245名となります。さらに、3年後の2022年の参議院議員選挙で、残りの半数121名が、124名となり、合計248名となります。

 次回は、両院制に関する44条を読んでいきます。お楽しみに。


 以上




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