【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
50条


 みなさん、こんにちは!
 今日はクリスマスですね。街のイルミネーションもきれいです。
 昨日の夜、子どもたちの枕元に、クリスマスプレゼントをそっと置いておきました。朝起きて、子どもたちの喜ぶ顔が目に浮かびます。それが私の元気の源になります。
 この一年、みなさんにとって、どのような年でしたか?
 苦しいことも悲しいことも。嬉しいことも楽しいことも。
 全部ひっくるめて、来年をいい年にするための糧になればいいなと思います。

 今年は、政治分野において、さまざまな問題が巻き起こり、いままで、ある意味、人まかせだった政治を、より身近な、より自分自身の生活に直結する問題として感じる年でもありました。私たちが納得できる安心して暮らせる社会を創るためには、国民一人一人が、政治について真剣に考えていかなければならないと強く思いました。
 私たち自身の人権。私たち自身の政治。その礎となる日本国憲法を、ここでもう一度、じっくり読んでみてほしいと心から願っています。

 それでは、今回からまた憲法を読んでいきましょう。
 今回は、国会議員の特権の一つ、不逮捕特権について定めた50条です。


【50条】

 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。


 国会議員は、国会の会期中は逮捕されません。会期前に逮捕された議員は、議院の要求があれば、釈放する必要があります。
 なぜ、不逮捕特権があるのか、その理由ですが、そもそも逮捕するのは警察や検察という行政権です。つまり政府です。また、逮捕令状を出すのは司法権です。
 これら、行政権や司法権が恣意的に逮捕権を行使して、国会議員を逮捕することができるとすると、国会が、行政権や司法権にとって都合の悪いルールをつくろうとした場合に、国会議員を逮捕して、立法権の立法活動を妨害することが可能になってしまいます。

 三権分立の観点からすれば、三権はそれぞれ独立していなければならず、原則として、他権には干渉しないというのが基本的なスタンスです。そこで、立法権の立法活動が、他の国家権力の干渉によって、不当に害されてしまうことがないように、国会の会期中、国会議員を逮捕することができないとされています。また、会期前に逮捕されていた場合でも、議院が要求すれば釈放しなければならないとされています。

 それでは、国会議員を会期中に逮捕できる場合として、法律はどのように定めているのでしょうか。これについては、国会法がその33条で定めています。


【国会法】

第33条
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。


 つまり

① 院外における現行犯罪の場合
② 院の許諾がある場合


 の2つの場合です。

 ①について
 国会の外で現行犯。これはまさに、目の前で国会議員が犯罪を行っている場合ということになります。この場合に、その国会議員を逮捕したとしても、警察権力による違法・不当な逮捕となる可能性は低いといえます。そのため、不逮捕特権は及ばないことになります。

 ②について
 不逮捕特権によって守ろうとしてるのは、立法権の立法活動を他の権力から守るということにあります。だとすれば、立法権自身が、ある国会議員の逮捕を許し、立法権自身の承諾のもとで逮捕されるのであれば、立法権の立法活動を違法・不法に侵害することにはなりません。そのため、不逮捕特権は及ばないことになります。

 次回は、51条について読んでいきます。お楽しみに。

 今年のブログはこれで終了となります。
 また、来年も「日本国憲法の話-今だから、もういちど憲法を読み直そう」を書いていきますので、お付き合いいただけますとうれしいです。
 このところ、寒さも日々厳しくなっております。年末、お体、十分にご自愛いただき、よいお年をお迎えください。


 以上




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