【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
52条


 いま、新型肺炎で話題は持ちきりですし、また、開会した国会でも、新型肺炎、桜を見る会、検察官の定年問題、官僚の出張など、さまざまな問題が議論されています。

 人として大切なこと。それは民法の1条にもあるように、真実で正しいことを守るという「信義」にもとるようなことはしないこと。偽りがなくまじめで真心をもつという「誠実」にことにあたることです。そうです。いわゆる「信義則」です。

 嘘いつわりなく、誰が見ていようが、見ていまいが、間違ったことや、人から後ろ指をさされるようなことはしない。それでも人のやることです。間違ったことがあれば、素直に謝り、そのあとの最善の策を追及する。それがいま、政治に強く求められているし、政治への信頼回復を行う全てではないかと思うのです。

 それが守られているという信頼があるからこそ、私たちみんなが幸せに生きていける社会を創る政治を、国民から選挙された代表者に安心してお任せできることになるのだと思います。

 そのためには、私たち一人一人が政治について考え、声を上げていくこともときには必要だと思っています。

 それでは、今回も憲法を読んでいきましょう。

 今回は、国会の会期・常会について定めた52条です。


【52条】

 国会の常会は、毎年一回これを召集する。


 国会は、1年中、開催しているわけではありません。日本の国会は会期制という仕組みを採用しています。
 つまり、召集されることで国会が形成され、閉会によって終了します。これが毎年1回行われることになるわけですが、この国会のことを憲法上「常会」と呼びます。一般的には「通常国会」と言われるものがこの常会です。

 常会が開かれているとき以外は、国会は組織としては存在しないことになります。ただし、例外的に必要に応じて召集される「臨時会」や、衆議院議員総選挙の後に召集される「特別会」がありますが、それはまた次号以降に譲ります。

 この会期については、国会法が定めています。


【国会法】

第1条

1項 国会の召集詔書は、集会の期日を定めて、これを公布する。

2項 常会の召集詔書は、少なくとも十日前にこれを公布しなければならない。

第2条

常会は、毎年1月中に召集するのを常例とする。

第10条 

常会の会期は、150日間とする。但し、会期中に議員の任期が満限に達する場合には、その満限の日をもつて、会期は終了するものとする。

第12条 

1項 国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。

2項 会期の延長は、常会にあつては1回、特別会及び臨時会にあつては2回を超えてはならない。


 国会法によれば、年に1回、毎年1月に召集され150日間開催されます。そうすると、縁業がなければ、毎年6月中に閉会することになります。延長に関しては、常会の場合には1回のみできます。

 会期制を採用する場合、審理されている法案が会期中に成立しない場合には、その案は後会に継続せず、廃案となるという会期不継続の原則があります(68条本文)。会期中、審理を重ねても成立しないということは、何か問題があるだろうから、成立しなければ、いったん廃案にして、次の国会で一から審議しなおすということになります。

 ただし、常任委員会及び特別委員会は、会期中に限り、付託された案件を審査できます(47条1項)。そして、常任委員会及び特別委員会は、各議院の議決で特に付託された案件(懲罰事犯の件を含む。)については、閉会中もなお、これを審査することができます(47条ただし書き)。この規定に基づいて、閉会中審査した議案や懲罰事犯の件については、例外的に後会に継続します(68条ただし書)。

 この会期制については、反対意見もあります。つまり、1年通して、国会を開催する方がよいのではないかという議論です。そうすれば、十分な議論をすることができ、法案を成立させることができるのではないかというものです。そのようなメリットはありますが、会期がないと、結局政権与党が数の論理で法案を通してしまうという危険性もあります。

 野党側から言わせれば、会期があることで、成立させたくない法案を「時間切れ」によって廃案に持ち込むこともできることになります。もし政権与党側が、廃案にしたくない、法案を通したいというのであれば、野党の妥協が得られるように法案を練り上げていく必要があり、その上で、時間の許す限り、徹底的に議論するという、より民主主義の理想的な形になるとも考えられます。

 次回は、53条について読んでいきます。お楽しみに。

 以上


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