【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
53条


 いま、新型コロナウイルスの感染の広がり。収まる気配がありません。

 一日でもはやく、新型コロナウイルスが制圧されますように。心から願ってやみません。

 それでは、今回は臨時会について定めた53条を読んでいきましょう。

【53条】

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。


 毎年1回行われる常会は、ことになるわけですが、この国会のことを憲法上「常会」と呼びます。一般的には「通常国会」と言われるものがこの常会です。

 国会法によれば、年に1回、毎年1月に召集され150日間開催されます。そうすると、延長がなければ、毎年6月中に閉会します。しかし、常会が閉会した後、どうしてもルール作りをしなければならない要請が生じたり、国会の承認が必要となった場合に、国会がなく、国の行政運営が停滞してしまうことは避けなければなりません。

 そこで、必要に応じて開かれるのが臨時会(一般的には「臨時国会」と呼ばれます)が召集されます。 その召集方法について定めているのがこの53条です。

 臨時国会は、以下の2つのパターンで召集が決定され、この決定を受けて、天皇が召集することになります。

【臨時会の招集】

パターン1)内閣自ら行う召集の決定(53条前段)

 ⇒ 内閣が必要に応じて召集を決定します。

パターン2)議員の要求で内閣が行う召集の決定(53条後段)

 ⇒ 衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣が臨時会の招集を決定しなければなりません。


 明治憲法下では、臨時会の招集は、内閣が決定することとされていました。しかし、日本国憲法では、少数派の意見をも尊重すべく、少数の議員からの召集要求が認められるようになりました。召集要求できる数が、過半数よりも少ない、総議員の4分の1とされているのはそういう理由です。

 では、そもそもなぜ「4分の1」なのかということですが、これは、憲法制定当時に設けられた憲法問題調査委員会(いわゆる松本委員会)においては、「3分の1」、GHQ草案では「5分の1」とされていました。それを検討した結果「4分の1」になったというわけです。

 また、例年、常会の他、臨時会が召集されることが多いわけですが、今まで開催されなかった年が5回あります。その年は、大体が衆議院の解散・総選挙のあとに特別会が召集されており、臨時会の召集をする必要がなかったといえます。

 また、臨時会の召集要求があっても、合理的期間内に常会が始まるというような場合には、臨時会を召集を決定しなくても憲法違反にはならないというのが政府の解釈です。

 とはいえ、少数派の意見を尊重するために必要とされるのが臨時会ですから、要求があれば、速やかに召集して議論を始めるというのが、本来の憲法が求めている姿であるといえるでしょう。

 次回は、54条について読んでいきます。お楽しみに。

 以上


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