【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
55条


 先日、東京都では都議会議員選挙が行われました。投票率は42.39%で史上2番目の低さだったようです。国政選挙でも、地方選挙でも、これからの選挙はもっともっと投票率が上がってくれたらいいなぁと思っています!

 みんな投票へ行こう!!!

 それでは、今回も日本国憲法の話を始めましょう。

 前回は、参議院の緊急集会について定めた54条2項・3項を読みました。今回は55条の議員の資格争訟裁判について読んでいきましょう。

【55条】

 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。


 55条によれば、両議院が、それぞれ衆議院議員、参議院議員の資格に関する争訟を裁判することになります。これを資格争訟裁判といいます。ここで争われることとなる「議員の資格」とは、例えば、被選挙権がないのに、立候補の届け出が受理されて、選挙で当選したような場合や、兼職禁止規定に違反して兼職できない職務を行っている場合のように、議員となるための形式的要件を満たしていないのに議員をしているような場合を指します。この点について、議員としてふさわしくない行動をとってしまったような場合に処分される懲罰とは異なります。

 そして、議員となる資格がないと判断された場合には、議員の議席を失わせることになりますが、選挙で当選している以上、議員の議席を失わせるには、出席議員の3分の2以上の多数による議決が必要となります。

 手続的には、両議院の議員規則が規定しています。

 衆議院の場合(衆議院規則 第14章 資格争訟 抜粋)

189条 議員が他の議員の資格について争訟を提起しようとするときは、争訟の要領、理由及び立証を具える訴状及びその副本一通を作りこれに署名して、これを議長に提出しなければならない。

192条 委員会は、訴状及び答弁書によつて審査する。期日までに答弁書が提出されなかつたときは、訴状だけで審査することができる。

193条
1項 被告議員は、訴状の副本の送付を受けた後、何時でも、弁護人を依頼することができる。この場合には、その旨を議長に申し出なければならない。

195条 争訟を提起した議員(これを原告議員という。)及び被告議員は、委員会の許可を得て、委員会に出席し発言することができる。

198条
1項 議院は、被告議員の資格の有無について議決によりこれを判決する。
2項 資格のないことを議決するには、出席議員の三分の二以上の多数によることを要する。


 参議院の場合(参議院規則 第15章 資格争訟 抜粋)

193条 他の議員の資格について提訴しようとする議員は、争訟の要領、理由及び立証を具える訴状及びその副本一通を作りこれに署名して、これを議長に提出しなければならない。

193条の2
1項 訴状が提出されたときは、資格争訟特別委員会が設けられたものとする。
2項 前項の特別委員会の委員の数は、十人とする。

196条 委員会は、訴状及び答弁書によつて審査する。期日までに答弁書が提出されなかつたときは、ただ訴状によつて審査することができる。

197条 被告議員は、訴状の副本の送付を受けた後、何時でも、弁護人を依頼することができる。この場合には、その旨を議長に申し出なければならない。

199条 争訟を提起した議員(これを原告議員という)及び被告議員は、委員会の許可を得て、委員会に出席し発言することができる。

205条 議院は、被告議員の資格の有無について、議決により、これを判決する。


 多少異なる部分がありますが、手続き的にはほぼ同様の形をとります。

 とはいうものの、議員の資格を欠く場合には、立候補の際にはほとんどはじかれることになるので、議員資格を欠く者が立候補すること自体が難しいといえます。実際に、日本国憲法ができてから現在まで、資格争訟裁判が行われたことは一度もありません。

 今回は以上となります。つぎは56条を読んでいきます。お楽しみに!

以上


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