【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
57条


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 それでは、今回も日本国憲法の話を始めましょう。前回は、国会の定足数・表決について定めた56条を読みました。今回は57条の国会の公開と秘密会、表決の会議録への記載について読んでいきましょう。

【57条】

1項 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
2項 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
3項 出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。


 まずは、1項本文です。両議院の会議の公開を定めた規定です。

 両議院の会議は公開されます。つまり、話し合っている場は、国民誰でもが見ることができるようになっています。国会は、私たちの代表者が議論する場です。私たち国民のために私たち自身が議論しているのと同じことですから、私たちが見れて当たり前ということです。また、私たちが、政治に対して評価をしようとしたときに、国会で何が話し合われているのか分からないと、評価をすることができなくなってしまいます。国会の会議の公開は、私たちが、私たち自身のことを決めるという民主主義の根本にかかわることだということです。また、本会議の会議録は、政府の広報誌である「官報」に記載されることとなっていますので、事後的に簡単に検証することもできるようになっています。

 つぎに、1項但し書きです。両議院の会議を秘密会にできるという規定です。

 出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは、会議を秘密会、つまり非公開にすることができるという条文です。ちなみに、戦後から現在まで、秘密会によって本会議が開催されたことはありません。

 ここで、日本の国会の議論の場についてですが、本会議場における議論ももちろんありますが、国会法に規定される委員会において詳細な実質的議論が行われています。これを「委員会中心主義」といったりします。国会法の委員会に関する規定は、あまり見たことがないと思いますので、ざっと眺めてみましょう。

 国会法 第5章 委員会および委員

40条 各議院の委員会は、常任委員会及び特別委員会の二種とする。
41条1項 常任委員会は、その部門に属する議案(決議案を含む。)、請願等を審査する

衆議院の常任委員会(2項) 参議院の常任委員会(3項)
1内閣 1内閣
2総務 2総務
3法務 3法務
外務 外交防衛
5財務金融 5財務金融
文部科学 文教科学
7厚生労働 7厚生労働
8農林水産 8農林水産
9経済産業 9経済産業
10国土交通 10国土交通
11環境 11環境
12安全保障
13国家基本政策 12国家基本政策
14予算 13予算
15決算行政監視 14決算
15行政監視
16議院運営 16議院運営
17懲罰 17懲罰

42条
 1項 常任委員は、会期の始めに議院において選任し、議員の任期中その任にあるものとする。
 2項 議員は、少なくとも一箇の常任委員となる。ただし、議長、副議長、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官、副大臣、大臣政務官及び大臣補佐官は、その割り当てられた常任委員を辞することができる。
 3項 前項但書の規定により常任委員を辞した者があるときは、その者が属する会派の議員は、その委員を兼ねることができる。
47条
 1項 常任委員会及び特別委員会は、会期中に限り、付託された案件を審査する。
 2項 常任委員会及び特別委員会は、各議院の議決で特に付託された案件(懲罰事犯の件を含む。)については、閉会中もなお、これを審査することができる
 3項 前項の規定により懲罰事犯の件を閉会中審査に付する場合においては、その会期中に生じた事犯にかかるものでなければならない。
 4項 第2項の規定により閉会中もなお審査することに決したときは、その院の議長から、その旨を他の議院及び内閣に通知する。
49条 委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
50条 委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
50条の2
 1項 委員会は、その所管に属する事項に関し、法律案を提出することができる。
 2項 前項の法律案については、委員長をもつて提出者とする。
52条
 1項 委員会は、議員の外傍聴を許さない。但し、報道の任務にあたる者その他の者で委員長の許可を得たものについては、この限りでない
 2項 委員会は、その決議により秘密会とすることができる。
 3項 委員長は、秩序保持のため、傍聴人の退場を命ずることができる。
53条 委員長は、委員会の経過及び結果を議院に報告しなければならない。

 公開に関しては、52条1項本文にあるように、議員のほかは傍聴を許さないとされており、原則として非公開となります。とはいえ、但し書きにあるように、報道機関など、委員長が許可を与えれば、傍聴が許されます。

 また、現在は、両議院で開催される委員会はすべてインターネットを通じて配信されていますので、国民が見ることはできるようになっています。

 次に、2項が、両議院の会議録の保存・公表・頒布について規定しています。

 両議院の会議録は、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、かつ一般に頒布しなければならない、とされています。

 さらに、3項が、表決の会議録への記載すべき場合を定めています。

 出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員が、法案に賛成したか反対したかという表決について、会議録へ記載しなければならないとされています。これによって、誰が賛成して、誰が反対したか、記録として残ることとなり、私たちが政治家を評価する要素が増えることになります。

 今回は以上となります。つぎは58条を読んでいきます。お楽しみに!
以上

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