【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
66条



 新年あけましておめでとうございます!

 本年もどうぞよろしくお願いします!

 2022年も幕を開けました。一昨年、昨年、とコロナ禍によって、私たちの社会生活の変更をやむなくされました。年末に落ち着いたかに思われたコロナウイルスもオミクロン株の登場で、また再び感染者が激増しています。とはいえ、私たちが生活をしていくためには、「経済を回していく」ことは必要です。不要な社会活動や人的接触は避けつつも、社会の活動を止めないためにも、十分な感染症対策を行いながら、仕事をし、ふさぎ込みがちな日常に活力を与えるために、余暇も楽しんでいくことが必要だと思います。コロナ禍にあっても、実り多き1年になりますように、心から願っております。

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 それでは、今回も日本国憲法の話を始めましょう。前回は、行政権の帰属について定めた65条を読みました。今回は、行政権の組織や、国会に対する連帯責任について定めた66条を読んでいきましょう。

【66条】

1項 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2項 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3項 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。


【66条1項について】
 内閣の組織について定めているのが66条1項です。そこでは、内閣の組織は法律の定めるところにより、内閣総理大臣とその他の国務大臣で組織されるとされています。
 これを定める「法律」は前回も上げた「内閣法」です。内閣法2条で、内閣の組織について規定しています。

【内閣法2条】(組織)

1項 内閣は、国会の指名に基づいて任命された首長たる内閣総理大臣及び内閣総理大臣により任命された国務大臣をもつて、これを組織する。
2項 前項の国務大臣の数は、14人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人以内とすることができる。



 まず、内閣は、国会の指名に基づいて天皇によって任命された首長たる内閣総理大臣と、内閣総理大臣により任命された国務大臣によって組織されることが1項で規定されています。
 つぎに、前回も述べましたが、内閣法2条では、内閣の組織について、憲法がそのまま法律化されています。内閣法では閣僚の人数までも規定されています。閣僚を内閣が自由に置くことができてしまうと、行政権を国民が制御できなくなってしまう可能性があるからです。また、閣僚を一人置くだけでも、そのための経費が掛かってしまいますから、何人でも閣僚を置いて税金が無駄に使われてしまうことがないようにするためでもあります。
 そして、国務大臣の員数については14人以内とされています。ただし、特別の定めがある場合には、3人を限度に17人以内とすることができることとされています。
 さらに、現在は、内閣法は、附則があり、その2~4項により、以下のように増員することができるとされています。

【内閣法附則による員数の増加】

員数の根拠 原則 特別
原則(内閣法2条2項) 14人 17人
国際博覧会推進本部(2026年3月31日まで)が置かれている間(内閣法附則2項) 15人 18人
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部(2022年3月31日まで)が置かれている間(内閣法附則3項) 16人 19人
復興庁(2031年3月31日までの間において別に法律で定める日まで)が廃止されるまでの間(内閣法附則4項) 17人 20人


【66条2項について】
 この条文は、文民条項といわれています。
 国務大臣となれるのは、「文民」でなければなりません。これは「シビリアンコントロール」とも言われたりします。「文民」の意味については、様々な見解がありますが、政府の見解では「旧陸軍の職業軍人の経歴を有する者であって軍国主義思想に深く染まっていると考えられる者、および自衛官の職にある者以外の者」と考えています。
 ちなみに、この2項については、日本国憲法制定の際、憲法9条2項と同時に、最終的に書き加えられたといわれています。

(9条2項)
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

という条文ですが、そもそも軍事力を持たないとするのが9条2項ですから、そもそも、この条文があれば、軍人は存在しないことになります。したがって、文民条項の必要性はありません。しかし、この条文を挿入したということは、戦争終結直後、また再び日本が軍を持ったとき、その軍が暴走し、再び戦争が起こることのないよう、万全には万全を期した結果であるともいえるのではないでしょうか。

【66条3項について】
 3項では、内閣がやったことについては、国会に対して、内閣全体で連帯して責任を負わなければならないことになっています。
 内閣は、強い一体性が求められます。行政サービスは、私たち国民一人一人と対峙していくものです。したがって、行政組織ピラミッドは巨大であり、その裾野は、ある意味人口分あるといえます。一人一人に対して、対応を求められることになります。
66条3項
 その中で、上の組織の意思統一がとれておらず、バラバラになってしまうと、行政サービスが縦割りになってしまい、私たちに対するサービスが場所によってばらばらになってしまう可能性があります。そのため、行政のトップである内閣は、一体的に動かなければならないとされています。また、内閣の一体性を保つため、内閣「閣議」を開いて全員一致でその方針を定め、その元で、一体的に動くことが求められることになります。

 内閣が、何か問題を起こしてしまった場合には、一体として活動したわけですから、「閣僚の誰かに責任を押し付けて終わり」とはならず、内閣全体で連帯責任を負わなければならないとされています。内閣は、国会の信頼のもとで存在していますから、内閣が責任を負うのは国会に対して、ということになります。

 また、この責任は政治的な責任であって、法的責任が生じるわけではありません。つまり、何らかの法的な措置を求められるわけではなく、国会の場において、内閣に対して説明責任を求められることになったり、衆議院から内閣不信任決議をされる原因となり得る、と言うことになります。

 今回は以上です。次回は67条を読んでいきます。お楽しみに!

 今年も、憲法の連載は続きますので、是非、お時間のあるときにお読みいただければ幸いです。

以上


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