【社会保険労務士】
「 カーリング女子 人間万事塞翁が馬 」



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こんにちは。今日は3月9日。オリンピックが終わり2週間ほど経ちましたが、今大会のMVPはカーリング女子だったと思います。
私は、2006年の頃からのカーリングファンなので、今回の銅メダルは、「ロコ・ソラーレ北見」だけの力ではなく、ライバルの「北海道銀行」や「中部電力」という強いチームとの切磋琢磨があったからこそだと思います。
元々は「北海道銀行」の小笠原選手(旧姓・小野寺)や船山選手(旧姓・林)などが、2大会連続オリンピックに出場し、その後、引退、出産、などを経て復帰し、ソチオリンピックに出場して、日本のカーリング界を引っ張ってきました。
その一方、今回、注目を浴びた吉田知那美選手や、藤澤五月選手は数年前にとても大きな挫折を味わっています。

吉田選手は、ソチオリンピックに「北海道銀行」の選手として出場して活躍もしました。しかしながら、オリンピック直後の2014年3月に「戦力外通告」を受けてしまったのです。失意の吉田選手は京都のお寺に一人旅に出たと言われています。引退も考えていた吉田選手を誘ったのが、地元の「LS北見」の本橋選手でした。

また、藤澤選手は、実は2015年3月までは「中部電力」の選手でした。日本選手権で4連覇を果たすも、肝心のソチオリンピック代表決定戦に敗北し、五輪出場を逃がし、チームは空中分解し、翌年の日本選手権では6位に沈みました。そんな失意のどん底のときに、本橋選手に声をかけてもらい、地元の「LS北見」に移籍加入しました。
本橋選手は、藤澤選手とポジションが重なるので、彼女が移籍してくるということは、自らがレギュラーから落ちるという状況でも、主将として、チームを強くするための決断でした。

このように、それぞれが一見不幸とも思える境遇に身を置きながら、結果として、「LS北見」に参加し、銅メダルを取るという今回の出来事は、禍福は糾(あざな)える縄の如しで、不幸と幸福は表裏一体で代わる代わる訪れるということを体現したと言えるのではないでしょうか。

さて、受講生の皆様の中には、有期契約労働者の方もいると思います。年度末の3月なので、不本意ながら、契約打ち切り(雇止め)にあった方もいらっしゃると思われます。

実は平成25年4月1日から労働契約法の一部が改正され、有期労働契約の労働者でも、
「同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超える場合には、労働者は使用者に対し、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の締結の申込みをすることができ、使用者はその申込みを承諾したものとみなす。」
という規定があります。
つまり、有期契約労働者でも、通算して5年を超えれば、無期労働契約への転換を申し込むことができるようになったのです。
ただし、この有期労働契約の起算日は、平成25年4月1日以後の日を契約期間の初日として計算しますので、平成30年4月1日に、適用者第1号が出るということで、最近、新聞などで、無期転換に関する報道が多くなっています。

良心的な企業ではいち早く数年前から、有期契約労働者を無期転換労働者へ移行したり、あるいは、雇止めをするにしても、もっと早い段階で知らせることにより、退職する労働者の未来のことも配慮している会社も多いとは思いますが、今回報道に出てくる企業は、平成30年4月1日が目前に迫り、慌てて雇止めをして、個別労働紛争になっているケースが多いです。
国としても、5年前から厚生労働省のホームページで何度も告知をしたり、あるいは、通常、新聞を読んでいれば、平成30年4月には、このような事態が来るのは分かっていて当然のことだと思います。それを知らない経営者は、情報音痴すぎて経営者失格と言えるでしょう。

現在、厚生労働省のホームページには次のようなお知らせが掲載されています。

「無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません。また、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、雇止めをすることは許されない場合もありますので、慎重な対応が必要です。」

雇止めが有効か否かは、労働契約法第19条の「雇止め法理」に基づき判断されます。
有期労働契約が次の①、②のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、その雇止めは無効とされます。雇止めが無効とされた場合、今までと同一の労働条件で、労働契約が更新されます。
①過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの


なお、上記の①②に該当するか否かは、その雇用の臨時性・常用性、更新の回数、雇用の通算期間、契約期間管理の状況、雇用継続の期待を持たせる使用者の言動の有無などを総合的に考慮して個別事案ごとに判断されます。

上記で述べた箇所は、今年の本試験で問われる可能性が高いので、テキストを熟読しておきましょう。


つづく。