【社会保険労務士】
「社労士試験 ミネルヴァのフクロウは黄昏に飛び立つ」



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こんにちは。今日は2019年3月22日。
本試験まで5カ月となりました。
毎回繰り返しになりますが、今の勉強方法で本当に正しいですか?
本当に「社労士試験で出題されそうな箇所」を勉強していますか?
まったく試験とは、関係のないことに深く入り込んでいませんか?
社労士試験に合格するということは、当たり前かもしれませんが、試験で点を取ることです。試験勉強をしていると、「なぜ、こういう規定なんだろう?」と思うときもあるかもしれませんが、必要以上に「なぜ」に拘るのは、試験で点を取るという視点からは、あまり役に立たないように思います。幸か不幸か、この法律の立法趣旨を述べよ、というような記述式問題は出ませんので、そのあたりのことを今一度考えてみましょう。

「ミネルヴァのフクロウは黄昏に飛び立つ」

という諺が、上記のことにダイレクトに当てはまるかは微妙ですが、とりあえず、社労士試験で学習する内容は、すべて答えが既にある学問ですので、あまり神経質にならず、俯瞰してものを見定めることが大切だと思います。

さて、今年は春分の日が3月21日でしたので、今日、有給休暇を取得すれば、21日~24日まで4連休という方もいらっしゃるかもしれませんね。
有給休暇については、4月から法改正があります。すでに労働基準法で学習されているとは思いますが、あらためて改正のポイントを少し見てみたいと思います。

そもそも有給休暇の大原則は次の労働基準法第39条第1項です。

「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」

というわけで、普通に勤務していれば、入社後6箇月たったら、10日の有給休暇が発生します。この日数は継続勤務年数とともに増えていき、入社後6年6箇月以上勤務すれば、20日の有給休暇が発生します。
そして、有給休暇の権利の消滅時効は、2年なので、有給休暇を取得しないで翌年に繰り越した場合には、最大で40日分の有給休暇の権利を持つことができます。

ただし、最新の統計データによりますと、全体の有給休暇の取得率は、51.1%ということで、せっかく有給休暇を取得する権利を持っていても、平均でその半分の日数しか消化していないというわけです。
これは平均の数字なので、企業によっては、80%取得できている会社もあれば、その逆に20%ほどしか取得できていない企業もあると思われます。中には、有給休暇取得率0%というブラック企業もあることでしょう。

そこで、この4月1日からは、使用者は、有給休暇が10日以上付与されている労働者に対して、少なくとも1年間で5日について、時季を定めて取得させることが義務付けられました。ただし、もともと有給休暇が取得しやすい会社で、労働者の自由な意思で5日を取得できるのであれば、無理に与える必要はありません。
ひらたくいうと、とりあえず、少なくとも年に5日は有給休暇を取得してくださいという意味と考えればよいでしょう。

有給休暇の取得に関しては、次の労働基準法第39条第5項の条文も有名です。

「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない(時季指定権)。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる(時季変更権)。」

これは、理解しやすいと思います。原則として、労働者が請求する日に有給休暇を取得することは可能なのですが、その日が通常日とは違って特別な日で、休まれてしまっては、事業の正常な運営を妨げる場合には、他の日に変更することができる、というわけです。
販売業等のサービス業では、特売日など、どうしても休まれては困る日があるというのは想像できますね。

最後に次のような最高裁判例を紹介しておきます。

「有給休暇の利用目的は労働基準法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である、とするのが法の趣旨である。」

上記のように、有給休暇の取得目的は、労働者の自由なのです。おそらく有給休暇を取りにくい会社というのは、

「部長、あの~~~明日、有給休暇を取りたいんですが。。。。」
「え!明日? 何で休むの?」
「え~~と、(欅坂46のコンサートに行くからとは言いにくいなあ。。。)矢沢永吉のコンサートに行くからです!!」

などという会話をしている会社も多いと思いますが、法的には、有給休暇の理由を言う必要はありません。


社労士講師室・伊藤修登


つづく。


※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。




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