【社会保険労務士】
「不正受給、ダメ。ゼッタイ。」



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こんにちは。今日は2019年5月10日。
10連休という大型連休も終わり、日常生活に戻っている人も多いと思います。
新社会人の方々は、5月病になっていませんか?
4月は、一生懸命働いたけど、その疲れがどっと出て、連休明けは何だかやる気が出ないという人も多いでしょうが、サラリーマン生活は長いマラソンに似ていますので、100%の力を出すよりも、80%の力を平均して出すように心がけると少しは気が楽になると思います。

さて、先月、池袋で起きた高齢者ドライバーによる暴走事件、2人の方が亡くなる痛ましい事故でした。妻子を奪われた、ご主人の記者会見は、胸に迫るもので、もらい泣きをしてしまいました。犯人は、なぜか逮捕されず、容疑者とは呼ばれないことも、類似の事件と比較しても非常に違和感を感じる事件で、その点においても怒りを抱いた人が多かったと思われます。(5月に入って、この事件の報道は激減してしまいました。。。)

モーニングショーのコメンテーターの玉川さんが
「車を運転する時に人を殺す道具だと思いながら運転をしているかというと、いつもそうではないですね。だけど、考えてみたら例えば実弾が入った銃を、引き金に指をかけているのと一緒のことですよね。ハンドルをちょっと切ったり、スピードを出し過ぎたりコントロ-ルできなくなったら人は死んでしまうんですよね、事故で。そういう風な思いが常にあれば、確かに事故はもっと減らせるかもしれない。」
と語っていました。
まさしくその通りで、車は使い方を誤れば、人を殺す道具になってしまうのですから、運転をする人は、本当に慎重な運転をするように、いつも肝に銘じてほしいと思いました。
上記の事件で犯人にどのような刑が適用されるか注目しています。

上記の事件と社労士試験とは、直接には結びつきませんが、今日は「罰則の規定」というものを見ていきたいと思います。罰則は社労士試験でも出題されることが多いので要注意の項目です。

労働基準法第5条には強制労働の禁止の規定があります。
「使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。」
という有名な規定ですが、もしこれに違反すると、
1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金という労働基準法上、最も重い罰則が適用されます。
最高刑が懲役10年というのは、かなり重い罪と言えますので、暗記しやすいはずです。

次に雇用保険法で有名なのは、不正受給に対する返還命令の条文です。
「偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した失業等給付の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた失業等給付の額の2倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。」
と規定されています。

雇用保険では、不正受給が多いと言われていますので、上記のように重い規定になっています。念のため申し上げると、仮に100万円不正受給した場合は、その100万円はもちろん返還しなければならず、さらに追加で200万円、合計300万円を納付しなければならないという意味です。
この、2倍なのか、3倍なのか、条文で出題されたときに正確に対応できるようにしておきましょう。

また、健康保険法でも不正利得の徴収に関して似たような規定があります。
「保険者は、保険医療機関若しくは保険薬局又は指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によって療養の給付に関する費用等の支払を受けたときは、当該保険医療機関若しくは保険薬局又は指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる。」
と規定されています。

前半は似ているのですが、追加の徴収額が2倍ではなく、100分の40となっています。この理由はよく分かりませんが、個人的には、不正に対して甘すぎる規定だと思います。健康保険財政が苦しい状況の中、不正者に対して緩すぎる規定だと感じます。
(なぜ、100分の40かは、分かりませんので、なぜ質問は、法律を作った厚生労働省にお願いします。。。。。私もこの規定は納得がいきません。)

最後に国民年金法も見ておきましょう。
「偽りその他不正な手段により給付を受けた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。ただし、刑法に正条があるときは、刑法による。」
と規定されています。
これは、もし詐欺罪の構成要件に該当するのであれば、詐欺罪が適用されるということになり、不正受給罪は適用されないことになります。ちなみに詐欺罪は10年以下の懲役になりますので、より重い罪に問うことができるというわけです。


社労士講師室・伊藤修登


つづく。
※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。


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