【社会保険労務士】
「 高度プロフェッショナル制度とは?対象者は誰? 」



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こんにちは。今日は2019年7月5日。
本試験まで残り約50日間となりました。勉強の調子はいかがでしょうか?
残り2か月を切りましたので、インプットよりもアウトプット中心(問題を解くことに重きを置く。)の勉強をしましょう。教科書を読んでいるだけでは、問題を解くコツがつかめないと思います。どういう切り口で問われるかを知ることが重要です。また、過去問を多く解くことで、出題傾向を把握することも大切でしょう。

さて、来週は、公開模試が行われますが、「本試験」だと思って挑んでください。
「点数なんてどうでもいいですよ。」なんて甘いアドバイスはしません。
できる限り高い順位、得点を取ることに挑戦してみてください。
社労士試験は行政書士試験などとは異なり、何点以上が合格という試験ではありません。その年度の問題の難易度によって、平均点が変わりますので、一概に何点以上取れば良いという判断は難しく、むしろ、全体で上位10%以内に入れば有望になり、その上で、各科目基準点以上を取れば、かなり合格に近づくということになるわけです。

来年、オリンピックが行われますが、たとえば、陸上競技や水泳の選手が、本番1カ月前のレースで「タイムなんてどうでもいいや。」と考えるでしょうか?スポーツ選手は押しなべて、直前期に自分を追い込みピークの状態を作ります。そこから、本番まで逆算して、ゆるやかに下げて、また調子を上げていって本番を迎えるわけです。
勉強も同じで、難関大学の試験や、社労士試験のような難しい国家試験に合格する人は、おおむね模試の段階から良い点数を取っている人が多いです。
「練習で飛べないトリプルアクセルが本番で飛べるわけがない」と私は考えます。ですので、模擬試験は本気で受けるべきだと思います。

ところで、報道によると、今年の4月から導入された労働基準法の改正の目玉「高度プロフェッショナル制度」ですが、今のところ、日本全国で該当者は、12名だけとのこと。
日本中で、、、、、12名だけですよ!(◎_◎;)

「高度プロフェッショナル制度」を導入するときは、国会でかなり揉めましたし、労働法の専門の学者からも、健康管理について危惧する声が聞かれ、本当にこんな労働制度必要なのか??と思った人も多いと思います。
実際、社労士仲間の勉強会でも、「高度プロフェッショナル制度」が導入されたら、かえって過労死が増加するのではないか?と危惧する声が多く出ていました。
現在のところ、各企業、そろって様子見の状態のような気がします。来年あたりから徐々に導入する企業が増えるかもしれませんが。。。(この制度は企業にとっては諸刃の剣で、万が一、過労死者が出れば、制度そのものが崩壊するかもしれません。)

さて、この制度、社労士試験に出るとしたら、どこが狙われるでしょうか?
まずは、対象業務ですね。
その業務内容が、いずれも高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と、従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして定める次の5つの業務とされています。
「金融商品の開発業務」「金融商品のディーリング業務」「アナリストの業務」「コンサルタントの業務」「研究開発業務」の5業務です。そして、その業務に従事する時間に関し使用者から具体的な指示を受けて行うものを除くとされています。
既存の「専門業務型裁量労働制」や「企画業務型裁量労働制」にも、使用者が具体的な指示をしないことという語句が出てくるのですが、使用者が具体的な指示をしない仕事というのは、かなり特殊な仕事に思えるのです。広告のデザインの考案の業務など、かなり特殊な仕事だとは思います。(自営業者なら理解できるのですが、この条件で労働者?というのが、どうも納得いかないのです。)

さらに見込み年収要件として、1,075万円以上というわけですから、これはもはや労働者ではなく、個人事業主では?と思える内容です。
また、労働時間の概念がない制度とも言えるので、本人の同意と、労使委員会の決議が必要です。
しかし、想像すると、会社から
「明日から君、高度プロフェッショナル制度対象労働者だからね。」
と言われて、断る勇気のある労働者がどれほどいるでしょうか?現実的には断りづらいと思います。。
なお、年間休日「104日」以上という規定があるのですが、これは完全週休2日制であればクリアできるので、正月休みもなく、夏休みもなく、祝日もなく、ひたすら土曜日と日曜日だけを休日にすれば、104日はクリアできてしまうのです。。。

そこで、使用者は「健康管理時間」を把握する必要があります。健康管理時間というのは、ざっくり言うと、会社にいた時間と事業場外において労働した時間の合計時間とお考えください。
そして、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間が、1月当たり100時間を超える労働者に対しては、その労働者の申出の有無にかかわらず、医師による面接指導を行わなければならないこととされました。
なお、これに違反した事業者は、50万円以下の罰金に処せられます。
とにかく、問題を作る立場から見れば、いろいろな論点がありますので、このあたりの詳しいことは、必ずお手持ちのテキストで確認しておいてください。

最後に模擬試験の択一式問題ですが、必ずしも労基法から解かなくてもいいんですよ。
解く順番に工夫をするのもありだと思います。たとえば、社会保険科目の方が得意な人でしたら、最初に、「健康保険」「厚生年金」「国民年金」の3科目を解いて、その後に、「労基安衛」「労災徴収」「雇用徴収」と解いて、最後に「一般常識」を解くやり方もあると思います。頭が疲労していない前半に得意科目を解いて、多くの人が苦手な一般常識を最後に解くという戦術も有効だと思いますので、3時間30分という試験時間をどう使うかも重要なことになります。



社労士講師室・伊藤修登


つづく。
※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。


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