【社会保険労務士】
「 忘年会・年賀状・ストレスチェックの話?? 」



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こんにちは。今日は2020年1月10日、金曜日。
読者の皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
受験生の方は、長い年末年始の休暇、計画通りに勉強できましたか?
旅行に行ったり、いつもより贅沢な外食をしたり、テレビを観すぎたりして、計画通りに勉強出来なかった人も多いと思いますが、過ぎてしまった時間は戻って来ないので、前を向いて歩くしかありません。本試験まで、まだ8か月もあります、十分間に合いますので、これから気持ちを切り替えて頑張っていきましょう。

さて、この年末年始、ツイッターなどで、ちょっと流行ったワードが「忘年会スルー」「年賀状スルー」という言葉でした。時代が令和になり、平成生まれの社会人も増えてきた現代に、忘年会や年賀状というものが合わない習慣になったのだと思われます。
忘年会は、恋人や本当に仲のいい友人とすれば良いという人が増えたのだと思います。むしろ、今までの昭和的な会社の忘年会には参加しなければいけないという義務感がおかしかったのかもしれません。もちろん、「自由参加の忘年会」であれば、OKだと思います。強制参加というのが若者から嫌われた原因ではないでしょうか。強制参加になると、それは労働時間では?という疑問も若干残りますし、自分で会費を払って、強制参加ということになると、労働時間より、もっと酷い?という考え方も場合によっては成り立ちます。

もう1つ、年賀状も、ある統計によれば、若年層を中心に過半数の人は出すのを止めたということです。これも「スマホ」の時代には合わない習慣になったのだと思います。おそらく10年後には「年賀状」は絶滅しているような気がします。そもそも手書きであれば、まだ温もりも感じられますが、表も裏も全面印刷で、一言も手書きの部分がないような年賀状は出す意味はあるのかなあ?と思うのですが。宛名などは印刷でも仕方ないと思いますが、裏面に1行でも直筆の文面がないような場合は、何のために出しているのかな?と思ってしまいます。直筆でも出したいと思える人にだけ出せば十分のような気がします。

「忘年会スルー」「年賀状スルー」という現象は、なぜ生じたのか??
やはり、人間関係の「ストレス」と密接に関係していると思います
参加したくない忘年会に参加を強制されたり、出したくもない年賀状を書くことを強制されるようなムードは、やはり「ストレス」に感じる人が多いので、2019年~2020年にかけて、このような主張をする人が増えたのだと推測します。 この流れはドミノ倒しのように、時代を飲み込み、10年後には会社の忘年会という風習はなくなっているかもしれません。昭和の時代に存在した「社員旅行」という風習がなくなったのと同じ道をたどるような気がします。

さて、労働安全衛生法には「ストレスチェック」という項目が出てきます。これまでも、過去問題で何問も出題されています。

常時50人以上の労働者を使用する事業場の場合
「事業者は、労働者に対し、心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を行わなければならない。」
これは、義務規定です。

一方、常時50人未満の労働者を使用する事業場の場合
「事業者は、労働者に対し、心理的な負担の程度を把握するための検査を行うよう努めなければならない。」 というわけで、努力規定となります。
なお、検査の実施者は、
「医師、保健師、一定の研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士又は公認心理師」
が実施者となります。
また、検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施事務に従事することはできません。

この労働者の心身の状態に関する情報の取扱いについては、適正に管理するため、労働安全衛生法第104条において、次のように規定されています。

『事業者は、労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定による措置の実施に関し、労働者の心身の状態に関する情報を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、労働者の健康の確保に必要な範囲内で労働者の心身の状態に関する情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。』

というわけで、心身の状態に関する情報なので、厳重に保管することが望まれます。
先ほどの解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施事務に従事することができないというのも、裏を返せば悪用される可能性があるからとも言えます。
2015年から始まった「ストレスチェック制度」ですが、最新のデータによると、受検率は78.0%にとどまっています。また、ストレスチェックを受けた後、実際に医師による面接指導を受けた労働者は、わずか、0.6%です。
実際は、ストレスを抱えた労働者は多いと推測しますが、面接指導を利用すると、何か不利益を受けるような予感がするので、面接指導を受ける人が少ないのだと思います。
労働安全衛生法には、わざわざ
『事業者は、労働者が面接指導を受ける申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。』
と規定しています。
おそらく、不利益な取扱いをするだろうなあと想定しているから、このような一文を付けたのだと推測しますが、その結果、誰も面接指導を受けず、何のために「ストレスチェック」を実施しているのか分からなくなっているような気がします。

社労士講師室・伊藤修登

つづく。
※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。


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