【社会保険労務士】
「 フーリン?パプリカ?
それ何の話?? 」



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こんにちは。今日は2020年1月17日、金曜日。
年末のレコード大賞を観て少し違和感を覚えた人、いませんでしたか?
小学生に大人気のフーリンというグループがパプリカ(個人的には、どう考えても大賞は欅坂46の「黒い羊」だろ、と思うのですが。)という楽曲で大賞を獲得したのですが、労働基準法に抵触するかもしれないということで、午後9時50分の生放送には出演できず、大賞受賞後の生歌披露が出来なかったわけです。
あれ?フーリンのメンバーは、労働者なのか?芸能人なのか?
労働者なのか芸能人なのかを区別する有名ないわゆる光GENJI通達があります。

「当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっていること」等

時は、昭和63年。毎週木曜午後9時から「ザ・ベストテン」という歌番組が生放送で放映されていました。司会は黒柳徹子と久米宏。視聴率は20%を超える人気番組でした。
当時人気絶頂の松田聖子が移動中の新幹線のホームから歌うなど、まあ凄い番組だったのですが、その大人気番組に光GENJIが出演できない。なぜならメンバーに中学生がいたから。そこで、昭和63年7月30日にこの通達が出て、いくつかの条件を満たした場合には、労働者ではなく表現者・芸能人ということで、午後9時過ぎの生放送の出演が認められたというわけです。
しかし、その後、いろいろありまして、今では、テレビ局側の自主的な配慮によって、どんなに人気があっても、夜遅くの生放送には出演しなくなって現在に至っています。中学生までは午後8時、高校生は午後10時までという自主規制が目安のようです。
ちなみに将棋の藤井七段は四段当時、中学生でしたが、堂々と午後10時を過ぎた対局を指していました。まあ藤井四段の場合は、明確な実力を兼ね備えた「個人事業主」なので、何の問題もありません。

フーリンは、どうなんですかね?まったく別の子どもが歌っても成立しそうな気はしますけど。まあ、実際は、TBSが自主規制して出演させなかったのでしょう。でも、午後9時50分に電話出演はしていましたけど。電話出演は仕事ではないのかな??

さて、労働者か否かに関しては、いろいろ考えさせられる通達等が出ています。
「一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働者に該当しない。直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、労働者に該当する。」

上記は、平成9年の通達ですが、内容は極めて当たり前のことを言っていてその通りなのですが、今はインターンシップという制度を活用している学生が多いようです。昔はこういう制度はなかったと思います。会社というのは、入社してみないと分からないことが多いので、この制度はどんどん有効活用するべきでしょう。

また、平成27年には次のような問題が出題されました。

『 形式上は請負契約のような形をとっていても、その実体において使用従属関係が認められるときは、当該関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法第9条の「労働者」に当たる。』

〇 か × か分かりますか?
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正解は、〇です。この請負契約というものについては、たまに「偽装請負」ということで新聞で報道されることがあります。本当に請負契約であればいいのですが、名前だけは請負契約であっても、その実質実体において使用従属関係が認められるときは、この関係は労働関係であり、当該請負人は、労働基準法第9条の労働者であることになります。

さらに、平成29年には次のような問題も出題されました。
『 何ら事業を営むことのない大学生が自身の引っ越しの作業を友人に手伝ってもらい、その者に報酬を支払ったとしても、当該友人は労働基準法第9条に定める労働者に該当しないので、当該友人に労働基準法は適用されない。』

〇 か × か分かりますか?
🕖
🕘
🕙
正解は、〇です。労働基準法上の労働者に該当するためには「事業又は事務所に使用される者」であることが必要となります。
この問題文の場合は、「何ら事業を営むことのない」大学生の手伝いであることから、この友人は労働基準法上の労働者には該当せず、労働基準法は適用されません。
念のため、労働者の定義と使用者の定義を載せておきます。

「労働基準法で労働者とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」
「労働基準法で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」


上記の定義は、本試験でも出題されることがありますので、必ず覚えておきましょう。

社労士講師室・伊藤修登

つづく。
※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。


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