【社会保険労務士】
「 募ってはいるが、募集はしていません?? 」



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こんにちは。今日は2020年2月7日。
少し古い話をしますが、江戸時代は「仇討ち(敵討ち)」が正式に認められていました。1873年(明治6年)2月7日に仇討ち禁止令が出て廃止になった制度です。
この「仇討ち」にもルールがありまして、その対象となる範囲は、父母や兄など、尊属の親族が殺害された場合に限られていて、妻や子、弟や妹に対するものは基本的に認められていませんでした。これはちょっと意外ですね。妻や子が殺されても仇討ちはできなかったんですね。心情的には、妻子を殺された方が、復讐したくなりそうですが、基本的には、残された子供が、父母の敵討ちをするという構図です
それと、仇討ちは、当然、相手がいることなので、時代劇のシナリオみたいに上手く本懐を遂げるとは限らず、返り討ちにあって、落命することもありました。

江戸時代の幕藩体制では、犯人が逃亡してしまうと当時の警察権では、物理的に追うのが困難となるので、被害者の子などに「仇討ち」の許可を与えて、その限りにおいて、警察の権利をお上に代わって与えたという解釈にもなるわけです。しかし、写真もない時代ですから、大変だったと思います。江戸時代後期には、41年間探し続け、ようやく仇討ちが叶ったという事例もあったようです。その後、明治新政府において、法律とかいろいろなものが西洋風に見直され、明治6年に仇討ちは禁止となりました。

この仇討ちという制度、野蛮な法律のようではありますが、被害者の遺族の気持ちになると、現代においても一分の理はあるような気はするのです。しかしながら、それを認めてしまうと、更なる恨みの連鎖が巻き起こりそうなので、やはり現行法が妥当だと言えるでしょう。(現代にも必殺仕事人がいるのであれば、依頼者は殺到しそうですが。)

何で、古い話をしたのかと言うと、法律というのは、当たり前ですが、時代とともに変わるもの、つまり、生ものということです。質問メールでここ数年多いのですが、「何でこういう決まりなんですか?」という立法趣旨的な質問が少し目立つのですが、古い法律の中には、2020年の価値観には合わないものもありますので、試験対策上は、必要以上に神経質にならない方がいいと思います。毎年、法改正があるというのは、今の法律が完璧ではないということの証明とも言えるのですから。

さて、今週は、選択式対策になりそうな箇所から、いくつかの条文を紹介します。まず、男女雇用機会均等法の第1条と第5条を見てみましょう。

『この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の ( A ) な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。
事業主は、労働者の ( B ) 及び採用について、その性別にかかわりなく ( A ) な機会を与えなければならない。』

空欄AとBには、何が入るか分かりますか?
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正解は、A=均等、B=募集。
男女雇用機会均等法は、男女の均等な機会及び待遇の確保を図ることが主目的であり、募集及び採用については、性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならないというわけです。均衡ではなくて、均等ですからね、正確に覚えましょう。

労働施策総合推進法の第9条も見てみましょう。
『事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の ( A ) 及び採用について、その( B )にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。』

空欄AとBには、何が入るか分かりますか?
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正解は、A=募集、B=年齢。
今度は労働施策総合推進法ですが、募集及び採用は、先ほどと同じです。
この条文は年齢制限禁止の規定です。原則として、年齢で不当な差別をしてはいけないということですね。(例外はありますが。)

もう1つ、個別労働関係紛争解決促進法第5条を紹介します。
『都道府県労働局長は、個別労働関係紛争(労働者の ( A ) 及び採用に関する事項についての紛争を除く。)について、当該個別労働関係紛争の当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった場合において当該個別労働関係紛争の解決のために必要があると認めるときは、 ( B ) にあっせんを行わせるものとする。』

空欄AとBには、何が入るか分かりますか?
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正解は、A=募集、B=紛争調整委員会。
択一式問題でも問われそうな箇所ですが、労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争は、都道府県労働局長による助言・指導の対象にはなりますが、紛争調整委員会による「あっせん」の対象とはされていません
上記のほかにもいろいろな法律で「募集」という語句が登場しますので、注意しておきましょう!

社労士講師室・伊藤修登

つづく。
※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。


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