【社会保険労務士】
「  失踪して7年経過すると、どうなるか知っていますか??  」



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こんにちは。今日は4月2日。
本試験まで、残り約4か月半ですが、勉強の調子はいかがでしょうか?
言うまでもなく、社労士試験に合格するというのは、試験で合格基準点を取ることです。念のために、聞きますが、過去問題をきちんと解いていますか?
テキストの読み込みだけをして、問題をほとんど解いていない人は、かなり心配です。
社労士試験は、論文を書くような試験ではなく、全問マークシート試験なので、そのあたりの傾向に合った勉強をしないと、せっかく長時間勉強しても、それが実を結ばず、得点が取れない可能性があります。今現在のご自分の勉強が、本試験の出題傾向、出題方式に合っているのか今一度確認してみてください。

さて、先日、たまたま昭和の名作刑事ドラマ「特捜最前線」を見てしまいました。
二谷英明さんや大滝秀治さんが出演していた、最も硬派な刑事ドラマです。
「死体番号6001号のミステリー」
新宿のビルの谷間で1人のホームレスの焼死体が見つかる。自殺か他殺か??死体の身元は??遺留品は、コートと時計だけという所から捜査を進めると、遺品のコートの名前の刺繡から、どうやら名前は「田中一郎」というらしい。
第一発見者のビルの管理人も「田中一郎」というホームレスと数回会話をした記憶があるとのこと。また、遺品の時計から「田中一郎」の勤めていた会社、妻子も判明するが、25年間勤めていた会社を10年前突然辞めて失踪した夫・父に対して、遺体を見ても今さら何の感情も持たないという冷たい遺族。
その遺族の冷たい反応になぜか自分のことのように怒り狂うビルの管理人。

実は第一発見者のビルの管理人が「田中一郎」だった。
名前も知らないホームレスに、自分がもう着なくなったコートを譲っていたのであった。
そのホームレスは、たまたま酒をおごった若者と口論になり、長年コツコツ貯めた所持金(120万円)をすべて盗まれる。
何もかも失ったホームレスに対してビルの管理人は、「あんた何か生きていても意味がない。」と言い放ち、失意のうちに彼は焼身自殺を遂げたのだった。

船村刑事(大滝秀治)は、これは自殺ではなく間接的な殺人だと怒りをこめて語る。
120万円を盗んだ若者。暴言を吐いたビルの管理人。人ひとりが失踪して、遂には焼身自殺をするというのは、様々な複合的な理由が重なり合う。
若い刑事が、「社会が、世の中が悪いんだ。」と言うと、
船村刑事が、「そういう時に、すぐ社会が、世の中が悪いって言うけど、みんな人間がしたこと!死体番号6001で、どこの誰かも分からないなんてあんまりじゃないか。どんなに時間がかかろうと、絶対に身元を割り出す。」と言ってドラマは終わる。

仕事柄、法改正をチェックするため、官報に毎日のように目を通すのですが、必ず身元不明者である「行旅死亡人」の記載があります。中には、悲惨な状況も多く、やや暗い気持ちになったりすることもあるのです。

ところで、社労士試験と何の関係があるの?という声が聞こえてきそうですが、試験には、なぜか「失踪関係」の問題がけっこう出るのです。

たとえば、国民年金法 平成26年問2A
『 配偶者に対する遺族基礎年金は、その者の所在が6か月以上明らかでないときは、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時に遡って、その支給を停止する。』
〇 か × か?
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正解は、× です。この場合は「6か月」以上ではなく、「1年」以上とすると正しい内容になります。その者の所在が1年以上明らかでないときは、申請することができます。

もう1問、国民年金法 平成26年問2B
『 船舶に乗っていた者がその船舶の航行中に行方不明となり、その生死が1か月間分からない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、行方不明となった日に、その者が死亡したものと推定する。』
〇 か × か?
🕓
🕖
正解は、× です。この場合は、行方不明者の生死が「3か月間」分からない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、行方不明となった日に、その者が死亡したものと推定するとされています。なお、航空機の墜落により行方不明になった場合も同様です

最後に失踪宣告に関する問題、国民年金法 平成26年問2C
『 民法の規定による失踪宣告があり、行方不明になってから7年を経過した日が死亡日とみなされた場合、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用における生計維持関係、被保険者資格及び保険料納付要件については、行方不明になった日を死亡日として取り扱う。』
〇 か × か?
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正解は、〇 です。船舶や航空機に乗っていた者が行方不明になった場合、3か月間分からない場合は死亡の推定が行われますが、それ以外の通常の失踪による場合は、行方不明になった日から7年経過した日に死亡したとみなされます
ですので、遺族厚生年金等を考えるときに、仮にご主人が失踪した場合、7年経過してようやく死亡したものとみなされ、遺族厚生年金等が支給されるという感じです。年金の問題を解くときは、事例を想像しながら解くのも良いかもしれません。
次回は4月16日の予定です。



社労士講師室・伊藤修登

つづく。
※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。


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