【社会保険労務士】
「 国民年金などを不正受給すると、
罰則はどうなる??」



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こんにちは。今日は2022年5月27日。
本試験まで、残り約90日になりました。勉強の調子はいかがでしょうか?
6月からは実力完成答練や模擬試験などが始まりますので、勉強のスタイルを「問題演習中心」に切り替えていきましょう。
社労士試験に限りませんが、試験に合格するためには、日頃から問題を解き慣れておくことが大切です。たくさん問題を解くことで、出題傾向をつかむことができるはずです

さて、先日話題になった4630万円の誤振込、不正使用事件ですが、誤って振り込まれたことを認識しておきながら、わずか10日間ほどで全額オンラインカジノで使ってしまったという前代未聞の事件。あまりにも悪質なので、実刑判決の可能性もありえるという報道です。
仮に、少しずつ、例えば毎月5万円ずつ返却したとしても、利息分も考えると数十年以上かかる計算になります。現時点で無職の容疑者が返還するのは実質的には不可能かもしれません。
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社労士試験においても、不正に対する罰則関連の問題が多く出題されていますので、今週は、そのあたりの規定を取り上げたいと思います。
雇用保険法からの問題です。

「偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した失業等給付の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた失業等給付の額の2倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。」

〇 か × か?
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正解は、〇 ですね。
上記の問題文の意味の確認ですが、仮に、100万円、不正受給していた場合、その100万円を返還するのはもちろんのこと、さらに2倍に相当する額(200万円)以下の納付を命じられる可能性がありますので、最大で300万円を返還しなければならないことになります。俗に言う「3倍返し」ですが、雇用保険法における不正受給の罰則は重いと認識しておいてください。

健康保険法でも不正受領の診療費の返還について、次のようになっています。

「保険者は、保険医療機関若しくは保険薬局又は指定訪問看護事業者が、偽りその他不正の行為によって療養の給付に関する費用等の支払いを受けたときは、当該保険医療機関若しくは保険薬局又は指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる。」

上記のように健康保険法でも不正には厳しく、元々の不正額はもちろんのこと、さらに40%加算した額を納付しなければならないので、額が大きくなればなるほど、この40%の加算は重たい額になります。

さらに国民年金法の罰則も紹介します。国民年金法第111条は次のようになっています。

「偽りその他不正な手段により給付を受けた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」

3年以下の懲役というのも、かなり重いものですが、年金の不正受給は、とりわけ悪質だと思います。年金というのは、「アリとキリギリス」の童話にそっくりで、若いうちにきちんと保険料を納付していた者が、将来的には得をするようになっています。
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金融機関の個人積み立ては、あくまでも原資は自ら積み立てたお金です。一方、老齢基礎年金は被保険者の保険料だけでなく、国庫負担で賄われているのですが、給付費用に対する国庫負担の割合を知っていますか?
なんと原則として「2分の1」が国庫負担です。
年金定期便をよく読むとわかるのですが、平均寿命まで生きた場合に受け取れる年金は、納めた保険料をはるかに上回ります。

最後に、社会保険労務士法の一番重い罰則も紹介しましょう。

「社会保険労務士法第15条(不正行為の指示等の禁止)の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。」

というわけで、社会保険労務士が不正行為の指示をするというのは、信用失墜も甚だしく3年以下の懲役というのもやむを得ないと思います。知っていて不正をするというのは、罪が重いのです。



社労士講師室・伊藤修登

つづく。

※別段の記載のない限り、本原稿作成時点で施行されている法令に基づいた内容になっています。

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