【司法試験】R1合格者ブログ

~法科大学院からの司法試験合格日記~

 

第13話

科目別勉強法:民法

 

1 はじめに

皆さんこんにちは。とうとう司法試験の延期後の日程が公表されましたね。今年度は、8月12日から8月16日までが試験日程となりました。暑い8月に試験が行われることになるので、今までとは受験環境が異なるのかなと思います。試験会場の冷房がどの程度効くのかわかりませんし、試験中暑くて普段より水分補給が必要になるかもしれません。また、東京の試験会場での話ですが、五反田の会場は駅から少し歩きますから、真夏に10 分ほど歩くとなると、それだけで疲れるかもしれません。今年度に限っては、例年以上にそういう対策も必要かもしれません。もし余裕があるのであれば、7月や8月に受験会場までの道のりを確認してみるのも良いかもしれません。

司法試験まで残り3ヶ月ほどとなった訳ですが、これを長いとみるか短いと見るかは人それぞれでしょう。個人的には、3ヶ月はあっという間ですから、あまり新しいことには手を広げ過ぎず、ただ、論文の感覚を養うために、論文対策を少し不安くらいの勉強が良いのではないかなと思います。


2 民法の勉強の仕方

さて、本日は、民法の勉強方法と言いますか、司法試験の問題への向き合い方をお話ししようと思います。

民法は、条文が1000条を超え、民法総則から家族法まで膨大な量があります。おそらく、試験科目の中で最もボリュームがある科目でしょう。それ故に、必要となる知識量も膨大となりますから、なかなか網羅することは難しい科目かと思います。これを基本書の通読などで賄おうとすると、メリハリがつきづらいですし、司法試験との関係で重要な部分がぼやけてきますから、個人的なおすすめは、短答の勉強と並行しながら知識をストックしていくやり方です。この方法であれば、短答で必要な知識と分野を意識しながら勉強していくことができますし、短答で出てくる簡単な事例問題は、インプットした知識を事例を考える中でアウトプットでき、なんとなく答案的な思考をする練習にもなるので、簡単な論文式の対策にもなります。民法が苦手と言う人は、基本書を中心に据えるより、演習を中心に据えてみる方法にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


3 論文式の対策方法

では、論文の対策はどのようにするのが効率的でしょうか。民法の問題は、当事者同士が何らかの言い分がある中で展開されます。それが代金を支払なのか、物を引き渡せなのかは事例によりますが、基本的には、金銭か物を渡せという主張に収斂されるでしょう。問題なのは、どのような権利に基づいて金銭ないし物を要求しているかということです。金を払えと一口に言っても、それが売買契約に基づくものなのか、委任契約の報酬なのか、賃料の請求なのか、債務不履行に基づく損害賠償としてなのか、あるいは不法行為に基づく損害賠償なのか不当利得なのか、様々あります。まずは、当事者がどのような法的構成で請求しているのか、これをしっかり検討しましょう。その中で、少し要件事実的な整理が求められることもありますから、しっかりとした要件事実の対策までは不要ですが、請求原因としてどのような事実が必要なのか、抗弁に当たる事実はどのようなものがあるのかと言った点については、新問研や類型別などの本を使って勉強しておきましょう。個人的に要件事実の勉強におすすめの本としては、大島眞一先生の「民事裁判実務の基礎」の上巻です。新法の要件事実にも対応していますし、事例つきで当事者の言い分を分析していますから、使いやすいと思います。

 

民法の論文で注意して欲しい点は、しっかり要件該当性を判断することです。なんとなくですが、刑法では構成要件該当性の判断をしっかりするのに対し、民法では簡単に争点ばかりに論述の比重を置いて、検討すべき他の用件について軽視されているような気がします。効果というのは、要件を充足して初めて生じるものです。例えば昨年度の論文では、717条の土地工作物の設置管理の瑕疵について小問がありましたが、ただし書の「損害の発生を防止するのに必要な注意」についてしっかり書いているものの、そもそもの前提となる「土地の工作物」であるとか、「設置又は保存に瑕疵がある」、「他人に損害を生じた」といった用件について、検討が不足している答案がちらほらありました。確かに論点との関係ではあまりたくさん書く必要はない部分かもしれませんが、これを満たしていないとそもそも損害賠償を請求できませんから、こういう要件の1つ1つをしっかりと検討する姿勢はとても大切です。どの程度記載するかは問題によりけりですが、ぜひ、この姿勢を忘れないでいて欲しいと思います。

 

4 おわりに

以上、ざっくりとした形となりましたが、上のような意識を持って判例を検討したり、問題演習をするだけでも、問題の見方が変わってくるかと思います。民法の苦手意識が消えると、司法試験全体を通じてなんとなく心が安定するような気がします。ぜひ、民法が得意科目になるよう、頑張ってください。

 

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