【司法試験】社会人合格者ブログ

~司法修習編~

 

第8話

民事裁判修習と銭を巡る争い


みなさん,こんにちは。

そろそろ8月の試験が近づいて来た頃だと思います。前例の無い試験になるので色々と気を揉んでいる読者さんもいるかもしれません。

しかし,どのような状況であろうとも,交戦規定は「受かってこい」のただひとつです。

ここまで頑張ってきた皆さんであれば,必ず勝機はあります。体調に気をつけて残りの期間も頑張りましょう。


今回は実務修習のうち,民事裁判修習について記事を書いてみようと思います。

民裁修習では刑裁修習と同じく,主に起案と裁判傍聴を通じて法曹に必要なスキルを身につけていきます。

起案では,いわゆる事実認定をメインに行います。民裁の事実認定は刑裁のそれとは少し異なっており,動かしがたい事実を抽出することがキモになってきます。動かしがたい事実とは,当事者間で争いの無い事実・類型的に信用性の高い文書(ex.領収書・手形など)に記載された事実など,要するに諸々の状況から見て客観的に認定できる事実をいいます。この事実を事件記録や当事者の供述から拾っていくわけです。そのうえで経験則を媒介にして,動かしがたい事実と当事者双方の主張・ストーリーとの整合性をテストし,どちらの当事者の主張・ストーリーがあり得そうかを確率計算します。

裁判傍聴では,期日における種々の手続を傍聴します。民事手続の性質上,書面を陳述して終わりというケースも結構あるので,刑裁に比べると結構シンプルだったりします。他方,弁論準備手続では電話会議システムが使われることもそれなりにあり,遠隔地の当事者と電話での充実したやり取りが見られることもあります。このシステムで使われる電話は円盤のような形をしているので,小型の無人戦闘機に似ているなあと思いながら会議を傍聴していました。


ちなみに,実務修習で民事裁判と刑事裁判の両方を傍聴して思ったことは,刑事より民事の方がドロドロした事件が多いなあということでした。

刑事事件の方は,敢えて申し上げれば,もともと普通に生活していた人が,運悪く人生の落とし穴にはまったことが原因で,突発的にあるいはやむを得ず犯罪に手を染めてしまったというケースが結構多いと実感しています。つまり,極悪人が平気で犯罪を行うケースはそれほど多くなく,むしろ普通の人が不幸にも犯罪の被疑者・被告人になるケースが明らかに多いです。そのため,自身が犯した罪を認めているケースもそれなりにあり,それほど事実認定で大きく揉めたりしない場合もあります。

逆に民事事件は,当事者の主張が最初から最後まで対立しやすいです。民事事件の場合は,もともと訴訟前から対立関係にあった当事者が訴訟に臨んでくることや,訴訟の勝敗如何では不動産や多額の金銭の権利関係に影響を与えるので,お互いの総力戦という面が結構あると実感しました。

ロースクール在学時にたまたま読んだ法律の漫画に「法律とは銭を巡る争い」という言葉があったのですが,民裁修習で当事者双方の提出した準備書面や答弁書を検討していると,まさにその言葉通りの闘争が繰り広げられているなあと実感しました。

そのうえ,当事者間で争いのある事実が多いと,上記の動かしがたい事実がなかなか見つからないので,争点について判断する材料が減ってしまい,事件の筋を見通すのも一苦労という感じでした。

まさに,民事裁判は「銭を巡る争い」だなと思いましたね……。


少し現金な話になりましたが,民事法の知識は修習でもそのまま活かせるので,受験生の皆さんは司法試験系の学修を通じて民事法の知識をしっかりとストックしておきましょう!

 

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